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「7日間ブックカバーチャレンジ」7日目 ますむらひろし「アタゴオル玉手箱」

「7日間ブックカバーチャレンジ」のラストの7日目。 最後に何の本にしようかと迷った。Facebookでは、北海道の地方創生を考えるうえでヒントになる1冊、藻谷浩介氏の『里山資本主義』にした。アフターコロナに向けて、密な東京一極集中から地方への分散、移住が増えるチャンスでもあり、「つながり」による地域活性化に北海道の未来の可能性を思って。地域の豊かさに目を向けないと、日本の未来はない。食とエネルギーの地産地消の循環型社会へ。グローバリズムの新自由主義マネー競争から転換しなければいけないと思うので。

しかし、こちらでは自分の読書史を振り返るうえで欠かせない漫画から1冊、ますむらひろしの『アタゴオル玉手箱』を挙げておく。私の漫画史といえば、小学校の頃は誰もが熱狂したように少年マガジンの「あしたのジョー」世代であり、力石徹と矢吹丈の真っ白になる戦いに心躍らせ、テレビアニメも夢中になって見た。

それから高校、学生時代になると、兄の影響もあり『ガロ』世代の漫画に夢中になった。白土三平の「忍者武芸帳」「カムイ伝」、つげ義春「ねじ式」ほか多数を読みまくり、林静一も大好きでした。つげ忠男、鈴木翁二、近藤よう子、高野文子、森雅之、やまだ紫、湊谷夢吉、川崎ゆきお、花輪和一などもよく読みました。蛭子能収、渡辺和博、みうらじゅん、根本敬などのヘタウマ的な漫画が出てきたのもその頃ですね。あと村上春樹の挿絵などをやった安西水丸の漫画も好きです。あと谷口ジローも忘れちゃいけませんね。山本直樹もかな。

そんななかでも、ますむらひろしの「アタゴオルもの」は特に惹かれ、そのファンタジー的ユートピアの森、キャラクターのヒデヨシ猫たちの世界が好きでした。このブログの「ヒデヨシ日記」の名も、そのヒデヨシから来てるんです。お気楽で酢ダコに目がなくて、バカで愉快なキャラクターのヒデヨシ猫に憧れているんです。宮沢賢治的な自然の森、鉱石などの美しき宇宙で遊ぶ彼らが羨ましかったのかもしれません。ますむらひろしが描く絵が何より好きなんですね。

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ブックカバーチャレンジ、あらためて7冊に絞り込むのはなかなか大変でした。ただ、自分の読んできた本を考えるいい機会になり楽しかったです。みなさまもいかがですか。本を読むことは、やはりとても贅沢な時間です。
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「7日間ブックカバーチャレンジ」6日目 内田樹「呪いの時代」

「7日間ブックカバーチャレンジ」の6日目。7日間7冊の本の紹介です。

内田樹は共感する部分が多くて、いっぱい読んでいます。「日本辺境論」「寝ながら学べる構造主義」「街場のメディア論」など著作多数。知の領域を縦横無尽に駆け巡る。ほとんどいつも同じようなことを語っていますが、示唆に富む刺激がいつもあります。「ほんとうの自分」を追い求める幻想。ネットに溢れる「呪い」の言葉。それは自分に返ってくる。「呪い」による分断の時代から「贈与」によるつながりの時代へ。

ちなみに本日の北海道新聞で、内田樹氏が「日本人は最悪の事態を想定できない」と書いていた。危機管理が苦手なのだ。「最悪の事態」を想定して、どの場合にどうやって被害を最小化するかという議論を始めると「縁起でもないことをするな」と遮られる・・・。「悲観論は語るな」というのだ。「言霊」を信じているから、「最悪の事態」を語ること自体がタブーとなる。だから、「オリンピックなんて出来るわけない」と誰もが思っていても、誰も口にしない。「出来ない」と言おうものなら、「本当に出来なくなる」と思うから、ギリギリまで誰も何も言わない。その同調性と言葉の呪縛。オリンピックもリニアモーターカーも万博もカジノも、語ることで経済が成長するという夢を招き寄せているのだ。戦争中も負けることを誰も語らなかったように、語らないことで信憑となり、現実を見誤る。

だから、日本人はそういう属性があるということを勘定に入れて振る舞うしかないのだ。いい悪いではなく、日本人は「最悪の事態」を語りたがらないのだ、と。原発もしかりだった。問題は起きないと、誰も最悪の事態を想定して準備しなかった。最悪の事態を言ったら、「縁起でもない」と一蹴されるだけ。そういう民族なのだと。だからこそ、意識的に語る必要があるのだ。言葉の「呪力」は、日本人にはかなり強く働くということかもしれない。

#7日間ブックカバーチャレンジ
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「7日間ブックカバーチャレンジ」5日目 川上弘美「溺レる」

「7日間ブックカバーチャレンジ」の5日目。7日間7冊の本の紹介です。  

川上弘美は大好きなんです。女性の小説が結構好きで、川上弘美を筆頭に、絲山秋子、小川洋子、江國香織、三浦しをん、梨木香歩、角田光代、吉本ばなな、桐野夏生、田口ランディ、宮部みゆき、柴崎友香、原田マハ、西加奈子、村田 沙耶香・・・などなど。

特に川上弘美の初期の異形なるものが出てくるヘンテコな小説が好きなんです。現実と幻想の境目があやふやになる感じがなんともいいんです。どの小説も好きで、どれを選んでもいいのですが、初期の短編集から。

出だしの文章から引き込まれていくのです。
「うまい蝦蛄を食いに行きましょうとメザキさんに言われて、ついていった」(さやさや)。
「死んでからもうずいぶんになる」(百年)
「少し前から、逃げている。一人で逃げているのではない、二人して、逃げている。」(溺レる)。
アイヨクに溺れたいアナタ。幻想の彼方へ、いざ・・・。

#7日間ブックカバーチャレンジ
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「7日間ブックカバーチャレンジ」4日目 「背いて故郷」志水辰夫

「7日間ブックカバーチャレンジ」の4日目。7日間7冊の本の紹介です。

7日のうち1冊はハードボイルド冒険小説を入れたいと思い、大好きな志水辰夫から「背いて故郷」。シミタツ節の文章にしびれます。志水辰夫はどれを読んでも面白いし、男が憧れる誇り高きロマンと哀愁がそこにある。文章にとにかく独特のリズムがあるんです。レイモンド・チャンドラー、原寮、藤原伊織、桐野夏生、馳星周、大沢在昌…。好きなハードボイル系の作家はいろいろあれど、やはり大好きなシミタツ節が冴えわたる志水辰夫の1冊。

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#7日間ブックカバーチャレンジ

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「7日間ブックカバーチャレンジ」3日目  ジョン・アーヴィング「ホテル・ニューハンプシャー」

「7日間ブックカバーチャレンジ」の3日目。7日間7冊の本の紹介です。

ジョン・アーヴィングの物語術にハマった。一度読みだしたら止まらない。本を読み終わるのがもったいないほど面白い。ある家族に不幸なことが次々と起こるのだが、「あらゆるものはおとぎ話だ」とばかりに物語はものすごい勢いで「前へ前へ」と進んでいく。ものを語ることの面白さがここにある。物語は人生を乗り越えていく力になる。

ジョン・アーヴィングは映画化作品も多いのですが(「ガープの世界」など)、どの本を読んでも面白いです。この「ホテルニューハンプシャー」も映画化されています。ジョン・アーヴィングを読んでいない方は是非一度手に取ってみてください。どれもとっても長いんですけどね。

このブックカバーチャレンジ、本来は本の解説などせず、毎日誰かにバトンを渡すルールなのですが、今回は特にどなたかを指名しません。バトンを受け取りたい方がいましたら、ご連絡ください。

#7日間ブックカバーチャレンジ
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プロフィール

ヒデヨシ

Author:ヒデヨシ
札幌でテレビの仕事をしている
オヤジです。
映画にまつわる雑文です。
2006年からの映画レビュー。
それから、本の感想を少し。


twitter 719hideyosi

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映画ベスト10 2009~2017年
2019年ベスト5
    「ジョーカー」
      「よこがお」
        「真実」
          「バーニング」
            「ブルーアワーにぶっ飛ばす」
              次点、「さよなら くちびる」

            2018年ベスト10
            <洋画>
              「スリー・ビルボード」
              「正しい日、間違えた日」(2015)
              「希望のかなた」
              「顔たち、ところどころ」
              「ラブレス」

            <日本映画>
              「万引き家族」
              「寝ても覚めても」
              「きみの鳥はうたえる」
              「モリがいる場所」
              「カメラを止めるな」


            2017年ベスト10
            <洋画>
              「パターソン」
              「動くな!死ね!甦れ!」(1989)
              「誰のせいでもない」
              「ありがとう、トニー・エルドマン」
              「オン・ザ・ミルキー・ロード」
              「パーソナル・ショッパー」
              「マンチェスター・バイ・ザ・シー」
              「マリアンヌ」
              「婚約者の友人」
              「セールスマン」

            <日本映画>
              「散歩する侵略者
            /予兆 散歩する侵略者」
            「三度目の殺人」
            「南瓜とマヨネーズ」
            「光(大森立嗣)」
            「息の跡」
            次点「彼女がその名を知らない鳥たち」
            次点「幼な子われらに生まれ」
            次点「バンコクナイツ」


          2016年ベスト10
          <洋画>
            ダゲレオタイプの女
            マイ・ファニー・レディ
            キャロル
            シング・ストリート 未来へのうた
            リザとキツネと恋する死者たち
            グッバイ・サマー
            サウルの息子
            マジカル・ガール
            ブリッジ・オブ・スパイ
            手紙は憶えている
          <日本映画>
            淵に立つ
            クリーピー 偽りの隣人
            海よりもまだ深く
            ふきげんな過去
            SCOOP!
            永い言い訳
            オーバー・フェンス
            ディストラクション・ベイビーズ
            葛城事件
            湯を沸かすほどに熱い愛
            次点この世界の片隅に


          2015年ベスト10
          <洋画>
            やさしい女
            さよなら人類
            さらば、愛の言葉よ
            毛皮にヴィーナス
            雪の轍
            愛して飲んで歌って
            サンドラの週末
            サイの季節
            インヒアレント・ヴァイス
            ソニはご機嫌ななめ

          <日本映画>
            海街dairy
            岸辺の旅
            FOUJITA
            百円の恋
            この国の空


          2014年ベスト10
          <洋画>
            エレニの帰郷
            グランド・ブタペスト・ホテル
            罪の手ざわり
            ウルフ・オブ・ウォールストリート
            ジャージー・ボーイズ
            インサイド・ルーウィン・デイヴィス
            6才のボクが、大人になるまで。
            フランシス・ハ
            ウォールフラワー
            ある過去の行方

            <日本映画>
            そこのみにて光輝く
            ニシノユキヒコの恋と冒険
            紙の月
            Sventh Code
            私の男


              2013年映画ベスト5
          <洋画>
            1、「愛、アムール」
            2、「ホーリー・モーターズ」
            3、「オンリー・ラバーズ・レフト・アライブ」
            4、「いとしきエブリデイ」
            5、「ムーンライズ・キングダム」
            ※番外「カリフォルニア・ドールズ」(1981年)

            <日本映画>
            1、「共喰い」
            2、「さよなら渓谷」
            3、「恋の渦」
            4、「リアル 完全なる首長竜の日」
            5、「Playback」(2012年)


            2012年映画ベスト10
          <洋画>
          2、「少年と自転車」
          3、「Pina ピナ・バウシュ 躍り続けるいのち」
          4、「ライク・サムワン・イン・ラブ」
          5、「きっと ここが帰る場所」
          6、「ドライヴ」
          7、「風にそよぐ草」
          8、「恋のロンドン狂騒曲」
          9、「おとなのけんか」
          10、「別離」
          次点 「裏切りのサーカス」
        番外
          「永遠の僕たち」
          「J・エドガー」
          「家族の庭」

        2、「かぞくのくに」
        3、「演劇1&2」
        4、「夢売るふたり」
        5、「アウトレイジビヨンド」
        番外 「ヒミズ」


      2011年映画ベスト10
      2,「愛の勝利を」
      3,「ブルーバレンタイン」
      4,「愛する人」
      5,「クリスマス・ストーリー」
      6,「トゥルー・グリット」
      7,「SOMEWHERE」
      8,「さすらいの女神(ディーバ)たち」
      9,「エリックを探して」
      10,「シリアスマン」
      次点,「エッセンシャル・キリング」

    2,「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」
    3,「あぜ道のダンディ」
    4,「マイ・バック・ページ」
    5,「冷たい熱帯魚」

    2010年映画ベスト10
    3、フローズン・リバー
    4、アンナと過ごした4日間(2008)
    5、Babble/バブル(2005)
    6、パリ20区、僕たちのクラス
    7、クレイジー・ハート
    8、ずっとあなたを愛してる
    9、千年の祈り
    10、シルビアのいる街で
    次点、闇の列車、光の旅

    3、川の底からこんにちは
    4、さんかく
    5、ノルウェイの森
    次点、乱暴と待機


2009年映画ベスト10
    3、リミッツ・オブ・コントロール
    4、あの日、欲望の大地で
    5、人生に乾杯!
    6、ウェディング・ベルを鳴らせ!
    7、チェンジリング
    8、ロルナの祈り
    9、レスラー
    10、夏時間の庭

<日本映画>
    1、ディア・ドクター
    2、空気人形
    3、ウルトラミラクルラブストーリー
    4、インスタント沼
    5、ノン子36歳(家事手伝い)
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