2017年ベスト10

今年観た映画から。なんといってもジャームッシュの「パターソン」がダントツの1位です。古い映画だけど、「動くな!死ね!甦れ!」は衝撃でした。まったく知らなかった映画だったので、あえて「発見」という意味で、旧作を入れました。
日本映画は粒ぞろいで面白い作品がいろいろありました。


2017年ベストテン

<洋画>
1、「パターソン」
もう愛おしくて大好きな映画。今年一番のお気に入り。人生はスバラシイ。幸福は細部に宿る。
2、「動くな!死ね!甦れ!」(1989)
1989年のソ連映画。衝撃的な恐るべき子供たちと演出。ドキュメンタリーのようなリアリティに感服。
3、「誰のせいでもない」
ヴィム・ヴェンダースの人間ドラマは見応え十分。
4、「ありがとう、トニー・エルドマン」
愛おしき「父と娘」の家族ドラマ。
5、「オン・ザ・ミルキー・ロード」
大好きなエミール・クストリッツァの世界観が楽しめて大満足。人間は強く、たくましい。
6、「パーソナル・ショッパー」
見えないものからのメッセージ。謎だらけのサスペンス。ITと霊。
7、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」
喪失の哀しみを抱えた家族が、冷たい冬の景色とともに静かに描かれる。
8、「マリアンヌ」
戦争、美女、スパイ。映画的な道具立て満載で楽しめた。
9、「婚約者の友人」
モノクロとカラー。美しきエレガントなオゾン的戦争悲恋映画。
10、「セールスマン」
イランを舞台にイスラム社会の知識人と家族と暴力の闇を描く。

次点、「午後8時の訪問者」、「未来よ、こんにちは」、「たかが、世界の終り」

※番外編としてデジタル・リマスター版として、エドワード・ヤン監督作品「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」、「台北ストーリー」」を観ることが出来たことが、一番の収穫かもしれない。素晴らしい才能であったことを実感した。
「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」
「台北ストーリー」


<日本映画>
1、「散歩する侵略者/予兆 散歩する侵略者」
WOWOWシリーズの「予兆」(東出昌大、染谷将太、夏帆)の方が不気味で面白かった。劇場公開本編(長澤まさみ、松田龍平、高杉真宙)のスペクタクル性もゾクゾクして楽しめた。二つの映画をまとめて、ベストワンに。黒沢清にはどんどん撮って欲しい。
2、「三度目の殺人」
是枝裕和監督の新境地。白黒がハッキリしないサスペンス。役所広司と福山雅治の虚実入り混じった息詰まる対峙が素晴らしい。
3、「南瓜とマヨネーズ」
ダメでバカで情けなくて、疼く、懐かしき青春映画。冨永昌敬監督のこういう映画、好きです。
4、「光」(大森立嗣)
役者たちの力強い演技。人間の闇、暴力とせつない渇望をしっかりと描いた力作。実力派の大森立嗣監督。
5、「息の跡」
一人の男の日常を見つめることで、<震災後>をしっかりと描いたドキュメンタリー。

次点、「彼女がその名を知らない鳥たち」 下衆な男女を演じる役者たちがお見事。
    「幼な子われらに生まれ」 家族が家族になるために。
    「バンコクナイツ」2017年作品にこれを入れるなら、ベスト5でもいいかもしれない。スケールの大きいな野心的な作品。
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2016年映画ベスト10

<邦画ベスト10
1、淵に立つ
 浅野忠信が圧倒的な存在感で映画を支配。地獄の淵で死と隣り合わせ。人間の底なしの恐ろしさ。
2、クリーピー 偽りの隣人
 これほど奇妙で居心地の悪い映画はない。その居心地の悪さこそが面白い。
3、海よりもまだ深く
 団地ノスタルジー。家族のあり方を追求し続ける是枝映画。
4、ふきげんな過去
 映画が演劇を越境し、演劇が映画を越境する。映画でも演劇でもなく、映画的で演劇的な映画。
5、SCOOP!
 痛快なる活劇とエンタテイメント。
6、永い言い訳
 死とともに謎となったメールが宙づりになり、「人生は他者だ」と思えるまで。
7、オーバー・フェンス
 飛べない鳥は飛翔を夢見る。
8、ディストラクション・ベイビーズ
 シンプルに暴力そのものを。
9、葛城事件
 家族の関係の圧力。
10、湯を沸かすほどに熱い愛
 惜しみなく愛を。
次点、この世界の片隅に
 日常の細部を見つめることで愛しさと哀しさと圧倒的で理不尽な暴力を。

<洋画ベスト10
1、ダゲレオタイプの女
 美しく死の気配に満ちた映画的空間。
2、マイ・ファニー・レディ
 映画愛に満ちたマジック!
3、キャロル
 視線の交錯の映画
4、シング・ストリート 未来へのうた
 せつなくかけがえのない時。音楽とともに、前へ。
5、リザとキツネと恋する死者たち
 奇天烈で楽しいポップさ。
6、グッバイ・サマー 
 永遠の夏休みのロード・ムービー
7、サウルの息子
 見ているだけで息苦しくなる地獄絵図
8、マジカル・ガール
 変態的に捻じれた愛。予測のつかない展開。
9、ブリッジ・オブ・スパイ
 緻密で冷徹な<間>をめぐるサスペンス
10、手紙は憶えている
 お見事なラスト。クリストファー・プラマーがいい。死ぬ前の最後の旅。


今年は邦画が豊作で、10本選ぶのに苦労した。震災後を描いた話題になった『シン・ゴジラ』と『君の名は。』は、僕は評価しない。もちろんいいところもいっぱいあるけれど、安易さが気に入らない。洋画は、ガツンとくる映画が少なく、10本選ぶのに苦労した物足りない一年だった。

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2015年映画ベスト10

2015年
<洋画>映画ベスト10
1、やさしい女
   1969年ロベール・ブレッソンの初カラー作品。謎の美女、若きドミニク・サンダ。
2、さよなら人類 
   ワンシ-ン・ワンカットのアナログセット撮影、人生は滑稽なり。
3、さらば、愛の言葉よ
  男女の物語は二重化し、ズレている。3D映画の混乱と実験。
4、毛皮にヴィーナス
  ロマン・ポランスキーの演劇的な騙し合い。
5、雪の轍
   トルコ、カッパドキアでの閉ざされた洞窟ホテルの会話劇。インテリの自己欺瞞と憂鬱。
6、愛して飲んで歌って
   91歳アラン・レネの遺作。軽やかで自由な人間喜劇。
7、サンドラの週末
   サンドラの視点から追い続けるドキュメンタリーのような過酷な現実
8、サイの季節
   革命で人生を翻弄されたクルド系イラン人の詩人の愛と視線。
9、インヒアレント・ヴァイス
   ヒッピー探偵のイカれた物語。
10、ソニはご機嫌ななめ
   ホン・サンス監督のソニに夢中になる3人のバカな男たち。


<日本映画>ベスト5
1、海街dairy
    四季を感じ丁寧に生きること
2、岸辺の旅
    幽霊との鎮魂の旅
3、FOUJITA
    近代とともに何を手に入れ、何を失ったのか?二つの時代、二つの国に生きた芸術家の光と闇
4、百円の恋
    いたいボコボコにされる青春映画。
5、この国の空
    静かな男と女の日常を描いた戦中映画。

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2014年映画ベスト10

洋画ベスト10
エレニの帰郷
  追悼テオ・アンゲロプロス。もう彼の新作が観れないとなると
   哀しくなる。 圧倒的な映像体験。
グランド・ブタペスト・ホテル
  ウェス・アンダーソンのキュートで映画愛に満ちた冒険活劇。
罪の手ざわり
  現代中国の一断面が見えてくる4つの人生。
ウルフ・オブ・ウォールストリート
  強欲資本主義の過激で下品な圧倒的快楽。
   ディカプリオ×M・スコセッシ
ジャージー・ボーイズ
  音楽は魔法だ。C・イーストウッドの肩が凝らずに楽しめる職人芸。
インサイド・ルーウィン・デイヴィス
  相棒の死の魂を抱えて彷徨い続けた男の人生。
6才のボクが、大人になるまで。
  12年の時間の重みとそれぞれの瞬間の輝き
フランシス・ハ
  女性のための青春応援歌
ウォールフラワー
  チャーミングな青春映画です。
ある過去の行方
  男女の諍いを描き続けるイラン人監督アスガー・ファルハディの
  緻密な構成の会話劇。


日本映画ベスト5
そこのみにて光輝く
  うらぶれた地方都市で、地面に這いつくばるように生きている
  人間たちを浄化する光と水。
ニシノユキヒコの恋と冒険
  幽霊のような男と戯れる女たちの恋
紙の月
  まわるお金についての空虚な世界と逃げる女
Sventh Code
  黒沢清の前田敦子主演の謎に満ちた犯罪映画の快作
私の男
  流氷の圧倒的な厳しさと密室で繰り広げられる禁断の愛

劇場で観た映画。洋画16本、日本映画13本、旧作洋画1本。合計30本。
DVD、テレビ録画で見た映画22本を合わせると、合計52本。

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2013年映画ベスト10

2013年映画ベスト10

<洋画>
1、「愛、アムール」
 年を取ると死についていろいろ考えます。ハネケの深遠なる人間ドラマを堪能できた。
2、「ホーリー・モーターズ」
 レオス・カラックスの久々に新作。ワクワクする映画です。
3、「オンリー・ラバーズ・レフト・アライブ」
 ジム・ジャームッシュのエレガントな吸血鬼。まわるまわる…。人生は彷徨う旅なり。
4、「いとしきエブリデイ」
 家族とは共有する時間の積み重ねである。共有出来なかった時間の重み。ラストの海辺がせつない。
5、「ムーンライズ・キングダム」
 ステキな映画。こういう才能は観ているだけで楽しくなる。
番外(旧作) 「カリフォルニア・ドールズ」(1981年)
 大好きなロードムービー。人生の哀感をしみじみと感じられます。

<日本映画>
1、「共喰い」
 青山真治の映像の密度と役者たちの演技が素晴らしい。
2、「さよなら渓谷」
 彷徨う映画に惹かれるんです。
3、「恋の渦」
 有名な俳優が出ていなくても、面白い映画は面白い。
4、「リアル 完全なる首長竜の日」
 現実と虚構の境界を混乱させる黒沢清の映画術。
5、「Playback」(2012年)
 時間と空間の反復とズレ。記憶をめぐる混乱の映画。期待すべき新人の登場。


今年、劇場で観た映画は、洋画18本、日本映画16本、旧作洋画5本、劇場鑑賞映画39本だった。1ヶ月3本ペースで、これが精一杯のところだろう。

日本映画がわりに充実した年だったと思う。ほかにも、熊切和嘉監督の「夏の終り」、カンヌでも話題になった是枝裕和の「そして父になる」、石井裕也の「舟を編む」も佳作だったし、宮崎駿の「風立ちぬ」もあった。16本しか観てないのに、10本挙げるのは無理があるので、5本だけ選んだ。「Playback」は2012年公開だが、今年観たので入れた。「横道世之介」も拾いものでした。

洋画は、有名な監督の新作が並んでしまった。5年の歳月を費やして撮影した「いとしきエブリデイ」は、劇映画の中に子供たちの成長の5年間が刻まれて、ドキュメンタリー的味わいもあってとても良かった。ウェス・アンダーソン
の「ムーンライズ・キングダム」は前作を見逃しているのだが、今後がとても楽しみな監督。ニュープリント版でリバイバル上映されたロバート・アルドリッチの旧作「カリフォルニア・ドールズ」は、どうしても記憶に残しておきたい好きな映画だった。旧作では、ロベール・ブレッソンの「白夜」(ニュープリント上映)も印象的だった。ポルトガルの新星ミゲル・ゴメス(「熱波」)も今後が楽しみな監督だ。

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プロフィール

Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

Author:Yasuo K  ( ヒデヨシ)
札幌でテレビの仕事をしている
オヤジです。
映画にまつわる雑文です。
2006年からの映画レビュー。
それから、本の感想を少し。


twitter 719hideyosi

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映画ベスト10 2009~2017年
2017年ベスト10
<洋画>
    「パターソン」
    「動くな!死ね!甦れ!」(1989)
    「誰のせいでもない」
    「ありがとう、トニー・エルドマン」
    「オン・ザ・ミルキー・ロード」
    「パーソナル・ショッパー」
    「マンチェスター・バイ・ザ・シー」
    「マリアンヌ」
    「婚約者の友人」
    「セールスマン」

<日本映画>
    「散歩する侵略者
/予兆 散歩する侵略者」
    「三度目の殺人」
    「南瓜とマヨネーズ」
    「光(大森立嗣)」
    「息の跡」
    次点「彼女がその名を知らない鳥たち」
    次点「幼な子われらに生まれ」
    次点「バンコクナイツ」


2016年ベスト10
<洋画>
    ダゲレオタイプの女
    マイ・ファニー・レディ
    キャロル
    シング・ストリート 未来へのうた
    リザとキツネと恋する死者たち
    グッバイ・サマー
    サウルの息子
    マジカル・ガール
    ブリッジ・オブ・スパイ
    手紙は憶えている
<日本映画>
    淵に立つ
    クリーピー 偽りの隣人
    海よりもまだ深く
    ふきげんな過去
    SCOOP!
    永い言い訳
    オーバー・フェンス
    ディストラクション・ベイビーズ
    葛城事件
    湯を沸かすほどに熱い愛
    次点この世界の片隅に


2015年ベスト10
<洋画>
    やさしい女
    さよなら人類
    さらば、愛の言葉よ
    毛皮にヴィーナス
    雪の轍
    愛して飲んで歌って
    サンドラの週末
    サイの季節
    インヒアレント・ヴァイス
    ソニはご機嫌ななめ

<日本映画>
    海街dairy
    岸辺の旅
    FOUJITA
    百円の恋
    この国の空


2014年ベスト10
<洋画>
    エレニの帰郷
    グランド・ブタペスト・ホテル
    罪の手ざわり
    ウルフ・オブ・ウォールストリート
    ジャージー・ボーイズ
    インサイド・ルーウィン・デイヴィス
    6才のボクが、大人になるまで。
    フランシス・ハ
    ウォールフラワー
    ある過去の行方

    <日本映画>
    そこのみにて光輝く
    ニシノユキヒコの恋と冒険
    紙の月
    Sventh Code
    私の男


      2013年映画ベスト5
<洋画>
    1、「愛、アムール」
    2、「ホーリー・モーターズ」
    3、「オンリー・ラバーズ・レフト・アライブ」
    4、「いとしきエブリデイ」
    5、「ムーンライズ・キングダム」
    ※番外「カリフォルニア・ドールズ」(1981年)

    <日本映画>
    1、「共喰い」
    2、「さよなら渓谷」
    3、「恋の渦」
    4、「リアル 完全なる首長竜の日」
    5、「Playback」(2012年)


    2012年映画ベスト10
<洋画>
    2、「少年と自転車」
    3、「Pina ピナ・バウシュ 躍り続けるいのち」
    4、「ライク・サムワン・イン・ラブ」
    5、「きっと ここが帰る場所」
    6、「ドライヴ」
    7、「風にそよぐ草」
    8、「恋のロンドン狂騒曲」
    9、「おとなのけんか」
    10、「別離」
    次点 「裏切りのサーカス」
番外
    「永遠の僕たち」
    「J・エドガー」
    「家族の庭」

    3、「演劇1&2」
    4、「夢売るふたり」
    5、「アウトレイジビヨンド」
    番外 「ヒミズ」


2011年映画ベスト10
    3,「ブルーバレンタイン」
    4,「愛する人」
    5,「クリスマス・ストーリー」
    6,「トゥルー・グリット」
    7,「SOMEWHERE」
    8,「さすらいの女神(ディーバ)たち」
    9,「エリックを探して」
    10,「シリアスマン」
    次点,「エッセンシャル・キリング」

    3,「あぜ道のダンディ」
    4,「マイ・バック・ページ」
    5,「冷たい熱帯魚」

    2010年映画ベスト10
    3、フローズン・リバー
    4、アンナと過ごした4日間(2008)
    5、Babble/バブル(2005)
    6、パリ20区、僕たちのクラス
    7、クレイジー・ハート
    8、ずっとあなたを愛してる
    9、千年の祈り
    10、シルビアのいる街で
    次点、闇の列車、光の旅

    3、川の底からこんにちは
    4、さんかく
    5、ノルウェイの森
    次点、乱暴と待機


2009年映画ベスト10
    3、リミッツ・オブ・コントロール
    4、あの日、欲望の大地で
    5、人生に乾杯!
    6、ウェディング・ベルを鳴らせ!
    7、チェンジリング
    8、ロルナの祈り
    9、レスラー
    10、夏時間の庭

<日本映画>
    1、ディア・ドクター
    2、空気人形
    3、ウルトラミラクルラブストーリー
    4、インスタント沼
    5、ノン子36歳(家事手伝い)
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