「清須会議」三谷幸喜

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(C)2013 フジテレビ 東宝


こういう映画は、三谷幸喜はうまい。時代劇なのに、殺陣シーンはない。なのにハラハラドキドキのスリリングさ。腹の探り合いの織田家の跡目決定の会議が舞台。その清須会議の五日間…という時空限定シチュエーションは三谷幸喜の得意とするところだ。舞台『12人の優しい日本人』の陪審員会議から始まって、ラジオ局やホテル、家の建築現場や映画撮影所、取調室に裁判所など限定された舞台で、限定された時間を描く時空間限定シチュエーションこそ三谷幸喜がもっとも人物奮闘のドラマを生み出せる方法なのだろう。テレビでも『やっぱり猫が好き』の部屋から始まり、レストランや殺人事件解決までの限定時空シチュエーションをいつも描くのが三谷幸喜のやり方だ。それをワンシーン・ワンカットで描いてしまう実験作「short cut」も撮っている。

この映画は役所広司vs大泉洋、つまり柴田勝家vs羽柴秀吉の腹の探り合いである。武骨な熱情派の勝家を役所広司がとぼけた味わいで好演している。役所広司はシリアスな役もやれば、こういうコメディのセンスもあるから面白い。彼の人間的魅力だろう。対する狡猾な知能派の秀吉を演じる大泉洋もまた芸達者な器用さである。バラエティやトーク、そして役者も一流の大泉洋の器用さが見事に役とマッチしている。それに三谷映画常連の小日向文世、佐藤浩市、鈴木京香。今回は妻夫木聡のはずれっぷりが面白い。中谷美紀も楽しそうに弾けて踊っている。脇を浅野忠信、寺島進、でんでん、伊勢谷友介、坂東巳之助などが固めつつ、役者陣がとにかく豪華。その芸達者な役者たちの競演ぶりをただただ楽しめばよい。

人間とはそもそも人生という舞台で必死に演じ続ける役者なのだ。その必死さこそ、愛おしく、人間的なのである。権力術数、プライドと限界、選ぶ人と選ばれる人、嫉妬と野望、そして策略。いろんな人間がいてこそ人生楽しいね。

前作『ステキな金縛り』などの奇をてらった設定ではないだけに、この映画は見やすく、楽しめる。
11月9日公開。試写会にて。まだまだ先だけど。


製作年 2013年
製作国 日本
配給 東宝
監督:三谷幸喜
製作:亀山千広、市川南
企画:石原隆
原作:三谷幸喜
脚本:三谷幸喜
撮影:山本英夫
照明:小野晃
美術:種田陽平、黒瀧きみえ
音楽:荻野清子
キャスト:役所広司、大泉洋、小日向文世、佐藤浩市、鈴木京香、妻夫木聡、伊勢谷友介、坂東巳之助、中谷美紀、 剛力彩芽、篠井英介、中村勘九郎、浅野忠信、寺島進、阿南健治、松山ケンイチ、でんでん、市川しんぺー、
浅野和之、染谷将太、瀬戸カトリーヌ、近藤芳正、戸田恵子、梶原善、天海祐希、西田敏行

☆☆☆☆4
(キ)
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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

Author:Yasuo K  ( ヒデヨシ)
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