「彼は秘密の女ともだち」 フランソワ・オゾン

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フランソワ・オゾンは、男と女の幻想を描き続ける。男でありたい、女でありたい、そしてという幻想。そして、少し病的な人物を登場させる。秘密や欲望や嫉妬などが大好きだ。その惑える人間たちを意地悪く、冷めた目線で描き続ける。その登場人物とのシビアな距離感が絶妙なのだ。

そもそも、この映画のクレール(アナイス・ドゥムースティエ)とローラ(イジルド・ル・ベスコ)の幼い頃からの女同士の関係は、正常なのか。幼い頃の血の契りも含めて、この幼なじみの二人は異常な親密さである。まるで双子のような関係は、大人になり、それぞれにパートナーが出来ても変わらないというのもかなり異常だ。そんな変わらない二人の関係が、一方の死によってバランスが崩れ、異様さが表面に現れる。ローラを失ったクレールの喪失感。そして、ローラの夫ダビット(ロマン・デュリス)の女装趣味。死体のローラにウェディングドレスを着せる甘美な欲望。二人は失ったローラを求めて、面影や金髪や香りや服を通じて、ローラの幻を追い求める。だから、クレールは女としてのダビット=ヴィルジニアが好きなのか、ダビットそのものが好きなのか、それともローラの幻を追いかけているだけなのか、よくわからない。ダビットもまた、単なる女装趣味なのか、ローラになりたいのか、クレールを求めているのか、よくわからない。ただ、幻を追い続けるのが、の本質であるし、その幻に心が支配され、なんだかわからなくなるのが惑い続ける人間の宿命なのだ。幻想の力こそが、悦びであり、の力であり、生きる希望になる。そこでは、男か女かという社会的概念も、ノーマルとアブノーマルの境界も、すべてがどうでもよくなる。人は一人では完結しえないし、失った分身を追い求めるように、誰かの幻を追い求め続ける。

ダビットの女装よりも、クレールがどんどん美しくなっていく演出が素晴らしい。

フランソワ・オゾン作品レビュー

原題:Une nouvelle amie
製作年:2014年
製作国:フランス
配給:キノフィルムズ
上映時間:107分
映倫区分:R15+
監督:フランソワ・オゾン
製作:エリック・アルトメイヤー、ニコラ・アルトメイヤー
原作:ルース・レンデル
脚本:フランソワ・オゾン
撮影:パスカル・マルティ
美術:ミシェル・バルテレミ
衣装:パスカリーヌ・シャバンヌ
編集:ロール・ガルデット
音楽:フィリップ・ロンビ
キャスト:アナイス・ドゥムースティエ、ロマン・デュリス、ラファエル・ペルソナス、イジルド・ル・ベスコ、オーロール・クレマン、ジャン=クロード・ボル=レダ、ブルーノ・ペラール、クロディーヌ・シャタル
アニタ・ジリエ看護師
アレックス・フォンダ看護助手
ジタ・ハンロ

(カ)
☆☆☆☆4
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

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