「チョコリエッタ」風間志織

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面白くなりそうなのに、ダラダラと長い。この映画を半分くらいの尺にしたら、だいぶテンポが出て見やすくなるんじゃないかな。残念な感じ。

フェデリコ・フェリーニへのオマージュ。「道」のジェルソミーナとザンパノの再撮(再現したらしい)。ジェルソミーナ演じる女優ジュリエッタ・マシーナの名前からとったジュリエッタという名前の犬が出てくる。ジュリエッタとチョコリエッタ。知世子という名前の女の子はチョコリエッタという名前の「犬になりたい」と思う。「わん」。

あるいは「カサノバ」の鯨とビニールの海が夜のバス停で再現される。「アマルコルド」だって大事な映画として出てくる。髪を短くした森川葵がいい。ときどきゴダールの「勝手にしやがれ」のジーン・セバーグを思い出す。帽子をかぶる場面などたぶん意識されたものだろう。ショートカットの森川葵はとてもキュートだ。だけど残念ながら「勝手にしやがれ」のような小気味よいシャレた映画にはなっていない。描かれるのは若者たちの自己撞着。カメラを回し続けながら、自分を探ししている映画部の先輩(菅田将暉)。自分とは何者なのか?チョコリエッタは、そんな誰かにさえなりたくない。亡き母、そして亡き犬のジュリエッタの呪いにかけられている。先輩も爺さんの呪いがかかっている。この映画は死者たちの世界の呪いをいかにして振り払い、この世界を受け入れるかという話である。この放射線にまみれたクソみたいな世界を。

映画では中盤、バイクで海を目指す(ゴダールの「気狂いピエロ」か?)ロードムービーの様相を呈しているのだが、3.11後を意識させる放射能で汚染された廃墟のような商店街や森が出てくる。二人は海に辿り着いて鼻血まで流すのだから、やややり過ぎだけど。そんなクソみたいなこの世界だけど、そのクソッタレな世界を生きていかなければいけないという決意。それはカメラのレンズという虚構を通じて、世界と自分との関係を築いていくのかもしれない。チョコリエッタもカメラを叔母やその婚約者に向けつつ、この世界を受け入れようとする。やがて海で死者たちや過去の自分と出会う。

そんなよくある自分探しの旅がやたらとダラダラと長いのだ。だから前半面白かった二人のキャラクターも後半飽きてくる。もう少しテンポよく作れなかったかなぁと思った。

製作年:2014年
製作国:日本
配給:太秦
上映時間:159分
監督:風間志織
プロデューサー:伊藤直克
原作:大島真寿美
脚本:風間志織、及川章太郎
撮影:石井勲
照明:大坂章夫
美術:丸尾知行
音楽:鈴木治行
キャスト:森川葵、菅田将暉、市川実和子、村上淳、須藤温子、岡山天音、三浦透子、渋川清彦、クノ真季子、宮川一朗太、中村敦

☆☆☆3
(チ)
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