「ヘイトフルエイト」クエンティン・タランティーノ

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う~ん。タランティーノ特有の強烈な磁場の作り方、そのジリジリするような極度な密度の中でのダラダラした無駄なお喋り、いたぶるような変態的暴力描写が得意な監督だけれど、この作品はそれがあまりパッとしない。ほとんどが雪嵐のために閉じ込められ山小屋での密室劇なのだが、サスペンスがそれほど効果的ではないのだ。ドキドキした緊迫感もドライブ感もない。

前半は特に間延びしているし、後半のいつもの暴力描写もキレがない。これをタランティーノの最高傑作だなんてコピーもあるけれど、とても僕にはそう思えない。初期『レザボア・ドッグス』を初めて観たときの驚きと痛快さはまるでない。『パルプフィクション』や『ジャッキー・ブラウン』のようなカッコいいキレもない。最近では『イングロリアス・バスターズ』がちょっと面白かったけれど、どんどんタランティーノはつまらなくなってきているような気がする。

賞金稼ぎと犯人グループの騙し合い。南北戦争の遺恨も含め、さまざまな訳ありの憎しみにまみれた男女が登場する。その騙し合いはそれなりに楽しめるのだが、それほど意外性はない。サスペンスサスペンスとして機能していない。

70ミリのフィルムで撮影され、画面は2.76:1というワイドスクリーンで描かれる。雪の馬車の風景や山小屋セットも見事だけれど。美術は種田陽平が『キルビルVol.1』に続いて山小屋のセットを担当。音楽は、西部劇の巨匠エンニオ・モリコーネ。


原題:The Hateful Eight
製作年:2015年
製作国:アメリカ
配給:ギャガ
上映時間:168分
監督:クエンティン・タランティーノ
製作:リチャード・N・グラッ、スタイン、ステイシー・シェア、シャノン・マッキントッシュ
脚本:クエンティン・タランティーノ
撮影:ロバート・リチャードソン
美術:種田陽平
衣装:コートニー・ホフマン
編集:フレッド・ラスキン
音楽:エンニオ・モリコーネ
キャスト:サミュエル・L・ジャクソン、カート・ラッセル、ジェニファー・ジェイソン・リー、ウォルトン・ゴギンズ、デミアン・ビチル、
ティム・ロス、マイケル・マドセン、ブルース・ダーン、ジェームズ・パークス、デイナ・グーリエ、ゾーイ・ベル、リー・ホースリー、
ジーン・ジョーンズ、キース・ジェファーソン、クレイグ・スターク、ベリンダ・オウィーノ 、チャニング・テイタム

「ジャンゴ 繋がれざる者」レビュー
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☆☆☆3
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tag : サスペンス 暴力 ☆☆☆3

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