「セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター」ヴィム・ヴェンダース、ジュリアーノ・リベイロ・サルガド

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セバスチャン・サルガドの写真が凄い。

遅ればせながら、やっとヴィム・ヴェンダースのドキュメンタリー映画「セバスチャン・サルガド / 地球へのラブレター」を観た。

ブラジル出身のセバスチャン・サルガドは、写真を撮り始めたのは30代の頃からだという。経済学者でもあった彼は、その後フォトグラファーとして約40年間にわたって世界各国で撮影を行い、人間のさまざまな姿、破壊、虐殺、飢餓、貧困、戦争、死などを撮った。しかし、人間の多くの死を撮り過ぎたために、ダメになった。心が病んでしまった。

そして、故郷のブラジルに帰った。しかし、そこにはかつての熱帯雨林の森は破壊されてなくなり、枯れた大地だけがあった。彼は妻とともに木を植え、森を再生させた。そして、破壊されたものを撮るのではなく、地球の原初の姿を撮り始めた。2004年から始めたプロジェクト『Genesis』。「地球上で最も美しい場所」を求め、ガラパゴスやアラスカ、サハラ砂漠などを歩いたという。

映画は、そんな写真家フォトグラファーのドキュメンタリーである。光と影で表現する人。ただただ、その写真に圧倒される。

札幌の小さな映画館では、今回の上映に先立ち、東北の震災で被害に遭った映画館主の活動のトークショーが行われた。震災直後に戸惑いながらスタートさせた上映会、「ドラえもん」での子供たちの笑顔。こんな時だからこそ、映画を観る娯楽が求められたこと。

福島の原発事故で自主避難区域に指定され、自分ですべてを決めなければいけなかった苦悩。チェルノブイリ原発事故のドキュメンタリーを観ていた自分の身に、まさか放射能汚染の恐怖が押し寄せてくるという戸惑い。そして、非日常的なのに日常を振る舞わなければいけない矛盾と葛藤。年間数百本の映画を観ていたシネフィルの映画館主は、映画そのものを観ることが出来なくなったという。現実の非日常性が、映画のフィクションよりも劇的だったということ。そんな話を聞くことが出来た。

数多くの人間の暴力や残虐性や社会の矛盾を写真に収めてきた写真家は、地球そのものの力や美しさに目を向けるようになった。そして、その力のある美しさを二度と失ってはならないと呼びかける。人間や動物の圧倒的な存在、自然とともに生きる少数民族の美しさ。それは地球への共感と愛のまなざしそのものであった。


原題:Le sel de la terre
製作年:2014年
製作国:フランス・ブラジル・イタリア合作
配給:レスペ、トランスフォーマー
上映時間:110分
監督:ヴィム・ヴェンダース、ジュリアーノ・リベイロ・サルガド
製作:デビッド・ロジエール
脚本ヴィム・ヴェンダース、ジュリアーノ・リベイロ・サルガド、デビッド・ロジエール
撮影:ヒューゴ・バルビエ、ジュリアーノ・リベイロ・サルガド
音楽:ローレント・ピティガント
キャスト:セバスチャン・サルガド

セバスチャン・サルガド写真

☆☆☆☆4
(セ)
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

tag : ドキュメンタリー ☆☆☆☆4

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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

Author:Yasuo K  ( ヒデヨシ)
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