ドラマ「カルテット」第6話

椎名林檎のエンディングテーマの歌詞♪おとなはヒ・ミ・ツを守る♪が妙にドラマにマッチしてきて、みぞみぞしますね~。

前回からの緩急のつけ方が素晴らしい展開です。

前回は、演奏の当てぶりをさせられ、「志のある三流は四流」と陰口を言われた4人は、路上ライブで夢のようなハーモニーを奏でたが、後半一気に急展開。すずめちゃんの嘘が発覚して、別荘を飛び出し、失踪した夫が現れて驚きのエンディングでした。

そして第6話は、4人が一度も一緒に登場しないバラバラな回。これまで毎回繰り広げられてきた4人のバカバカしい言い争いは、家森さんの10万円バイトのくだりと、レストランでの「猿の青いふぐり」話で、別のメンバーで視聴者をクスッと笑わせつつ、ドラマは一転して、夫婦のすれ違いの話に。別府君は停電で会社の倉庫に閉じ込め、家森さんは雪山で青いふぐりの猿探しという奇妙な展開で一人一人にさせ、義母とマキさん、すずめちゃんと夫(クドカン)幹生の組み合わせで夫婦の物語が進行する。

なぜ夫の幹生は失踪することになったのか、出会いから別れまで、それぞれの思いで語られる。それぞれの思いの食い違いが同時に語られることで、視聴者は二人の思いを一瞬にして感じ取れる見事な構成。前回聞き取れなかった4人の同時しゃべりは、今回はわかりやすく機能する。

ヴァイオリンを弾く美女で、何を考えているの変らないミステリアスな女性に一目ぼれした夫は、妻にドキドキする恋人のような存在を求めていた。一方、妻は安心できる家庭を築きたかった。リアリストなマキさんは、自分の才能の限界を知り、ヴァイオリンより家庭を大切にした。ヴァイオリンを弾くマキさんに魅力を感じていた幹生は、何度も弾くことを薦めるが、マキさんは「家事することが私のやりたかったことだ」と言って、すれ違っていく。大好きな映画のDVDはまったく理解されず、プレゼントした詩集は鍋敷きにされ、夫の「大切なもの」は、妻にやり過ごされていく。ささいなすれ違いはどこの夫婦にもあること。価値観をすべて共有することなんてできないのは当たり前。しかし、夢見るオタク的な気の小さな夫の幹生は、妻に何も言えず、「唐揚げにレモンをかけること」さえ、笑って受け入れ、文句を言えない。妻はマイペースで、夫の我慢に気づかない。すれ違いは積み重なり、妻は「愛しているけど好きじゃない」存在になり、妻は「夫婦って、別れられる家族」なんだと思うようになる。リアリストの女性と夢見る子供の男性の食い違いは、男女のドラマの基本ですね。

そんな小心者の夫の幹生だが、金がなくなりコンビニ強盗に入る暴力性も描きつつ、ラストは一気に再びサスペンスへと持っていく。夫が現れたことで、マキさんの夫殺しのサスペンスは消滅したかと思いきや、新たなサスペンスが次回以降に展開されるのだ。ネットでも評判になっていたが、マキさんの何気ない夫への一言「「2階から落ちて死ぬ人もいるんだから」という台詞がラストの衝撃のカットへとつながっていく。緩から急への展開が見事で、毎回毎回、違う面白さを堪能させてくれるドラマだ。

「マキちゃんのヴァイオリン」と必死にアリスから守ろうとする幹生が、なんだかせつない。「おとなはヒ・ミ・ツを守る」のだろうか。次週以降の展開もますます楽しみ。
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テーマ : テレビドラマ
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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

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