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「ブレードランナー2049」ドゥニ・ビルヌーブ

ブレードランナー2049

1982年公開のリドリー・スコット監督のSF傑作『ブレードランナー』の続編が35年を時を経て公開。前作の舞台が2019年。今から2年後の世界で驚くが、なによりも近未来の描かれ方が当時はカッコ良かった。新宿の歌舞伎町のようなネオンと猥雑感。ずっと降り続く雨。ビカビカの近未来ではなく、薄汚れた町がそのまま残る未来都市。この映画の影響を受けて、多くのSF漫画やアニメが量産された。人造人間レプリカントとそれを見つける捜査官ブレードランナー。誰がレプリカントで、誰が人間なのか。その葛藤と愛。それが、設定を30年後の2049年を舞台にして、ふたたび雨と雪が降り積もる暗くジメジメとした近未来が描かれる。

冒頭は乾ききった砂漠と夥しい数のソーラーパネルの空撮。そして農業を営むハウスの数々。この映画では、屑鉄が捨てられ、放射能で汚染された廃墟となった地方の町と高層ビル群と車が空を飛び交う前回同様の歌舞伎町的ネオン街の薄汚れた町が描かれる。共通するのは、煙った雨の描写。今回は雪が効果的に使われる。決して美しい未来(色)はない。美しい緑や虫たちは、架空の幻想イメージでしかなく、現実はうす暗く、空気は汚れ、町は薄汚く荒んでいる。

レプリカントは心を持つようにプログラムされ、かつて反乱を起こした旧型レプリカントは改良を加えられ、心を持つ新型が再び世界を機能させている。そして、旧型のレプリカントを探して解体するためブレードランナーが探し回る。今度のブレードランナーKを演じるのは、「ラ・ラ・ランド」で器用さを見せたライアン・ゴズリング。硬軟ともに演じ分けられる二枚目だ。そして、前作のデッカード捜査官のブレード・ランナーを演じたハリソン・フォードも登場する。レプリカントだったレイチェルとデッカードの逃げた二人のその後の物語が明らかにされる。

物語は単純だ。レプリカントの子孫繁栄を夢みる神になりたい男ウォレスの野望とラブという凶暴な女性レプリカント、そしてブレードランナーKとその上司の人間の優位性を揺るぎのないものにしようとする仕事、さらに過去のブレードランナーのデッカードとレプリカント・レイチェルの奇跡の妊娠が明らかにされ、人間、旧型レプリカント、従順に設計された心を持つ新型レプリカント、そして身体を持つことが出来ない人工知能ホログラムAIの彼女など、それぞれの心と埋め込まれた記憶と叶わぬ夢と絶望が描かれる。この映画は、すでにさらなる続編を計画している展開になっており、映画はさらに続く。物語は、小気味よく展開するわけではなく、どちらかというと「記憶」や「ココロ」をめぐるエピソードが描かれ、もったりとした印象。Kのアイデンティティ探しの旅と内省的な記憶をめぐる物語。映像表現は素晴らしく、見応えがあるが、展開はそれほど面白くもない。


原題 Blade Runner 2049
製作年 2017年
製作国 アメリカ
配給 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
上映時間 163分
監督:ドゥニ・ビルヌーブ
原作:フィリップ・K・ディック
原案:ハンプトン・ファンチャー
脚本:ハンプトン・ファンチャー、マイケル・グリーン
撮影:ロジャー・ディーキンス
美術:デニス・ガスナー
衣装:レネー・エイプリル
音楽:ベンジャミン・ウォルフィッシュ、ハンス・ジマー
キャスト:ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード、アナ・デ・アルマス、シルビア・ホークス、ロビン・ライト、マッケンジー・デイビス、
カーラ・ジュリ、レニー・ジェームズ、デイブ・バウティスタ、ジャレッド・レト、バーカッド・アブディ

☆☆☆3
(フ)
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

tag : SF ☆☆☆3

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映画ベスト10 2009~2017年
2017年ベスト10
<洋画>
    「パターソン」
    「動くな!死ね!甦れ!」(1989)
    「誰のせいでもない」
    「ありがとう、トニー・エルドマン」
    「オン・ザ・ミルキー・ロード」
    「パーソナル・ショッパー」
    「マンチェスター・バイ・ザ・シー」
    「マリアンヌ」
    「婚約者の友人」
    「セールスマン」

<日本映画>
    「散歩する侵略者
/予兆 散歩する侵略者」
    「三度目の殺人」
    「南瓜とマヨネーズ」
    「光(大森立嗣)」
    「息の跡」
    次点「彼女がその名を知らない鳥たち」
    次点「幼な子われらに生まれ」
    次点「バンコクナイツ」


2016年ベスト10
<洋画>
    ダゲレオタイプの女
    マイ・ファニー・レディ
    キャロル
    シング・ストリート 未来へのうた
    リザとキツネと恋する死者たち
    グッバイ・サマー
    サウルの息子
    マジカル・ガール
    ブリッジ・オブ・スパイ
    手紙は憶えている
<日本映画>
    淵に立つ
    クリーピー 偽りの隣人
    海よりもまだ深く
    ふきげんな過去
    SCOOP!
    永い言い訳
    オーバー・フェンス
    ディストラクション・ベイビーズ
    葛城事件
    湯を沸かすほどに熱い愛
    次点この世界の片隅に


2015年ベスト10
<洋画>
    やさしい女
    さよなら人類
    さらば、愛の言葉よ
    毛皮にヴィーナス
    雪の轍
    愛して飲んで歌って
    サンドラの週末
    サイの季節
    インヒアレント・ヴァイス
    ソニはご機嫌ななめ

<日本映画>
    海街dairy
    岸辺の旅
    FOUJITA
    百円の恋
    この国の空


2014年ベスト10
<洋画>
    エレニの帰郷
    グランド・ブタペスト・ホテル
    罪の手ざわり
    ウルフ・オブ・ウォールストリート
    ジャージー・ボーイズ
    インサイド・ルーウィン・デイヴィス
    6才のボクが、大人になるまで。
    フランシス・ハ
    ウォールフラワー
    ある過去の行方

    <日本映画>
    そこのみにて光輝く
    ニシノユキヒコの恋と冒険
    紙の月
    Sventh Code
    私の男


      2013年映画ベスト5
<洋画>
    1、「愛、アムール」
    2、「ホーリー・モーターズ」
    3、「オンリー・ラバーズ・レフト・アライブ」
    4、「いとしきエブリデイ」
    5、「ムーンライズ・キングダム」
    ※番外「カリフォルニア・ドールズ」(1981年)

    <日本映画>
    1、「共喰い」
    2、「さよなら渓谷」
    3、「恋の渦」
    4、「リアル 完全なる首長竜の日」
    5、「Playback」(2012年)


    2012年映画ベスト10
<洋画>
    2、「少年と自転車」
    3、「Pina ピナ・バウシュ 躍り続けるいのち」
    4、「ライク・サムワン・イン・ラブ」
    5、「きっと ここが帰る場所」
    6、「ドライヴ」
    7、「風にそよぐ草」
    8、「恋のロンドン狂騒曲」
    9、「おとなのけんか」
    10、「別離」
    次点 「裏切りのサーカス」
番外
    「永遠の僕たち」
    「J・エドガー」
    「家族の庭」

    3、「演劇1&2」
    4、「夢売るふたり」
    5、「アウトレイジビヨンド」
    番外 「ヒミズ」


2011年映画ベスト10
    3,「ブルーバレンタイン」
    4,「愛する人」
    5,「クリスマス・ストーリー」
    6,「トゥルー・グリット」
    7,「SOMEWHERE」
    8,「さすらいの女神(ディーバ)たち」
    9,「エリックを探して」
    10,「シリアスマン」
    次点,「エッセンシャル・キリング」

    3,「あぜ道のダンディ」
    4,「マイ・バック・ページ」
    5,「冷たい熱帯魚」

    2010年映画ベスト10
    3、フローズン・リバー
    4、アンナと過ごした4日間(2008)
    5、Babble/バブル(2005)
    6、パリ20区、僕たちのクラス
    7、クレイジー・ハート
    8、ずっとあなたを愛してる
    9、千年の祈り
    10、シルビアのいる街で
    次点、闇の列車、光の旅

    3、川の底からこんにちは
    4、さんかく
    5、ノルウェイの森
    次点、乱暴と待機


2009年映画ベスト10
    3、リミッツ・オブ・コントロール
    4、あの日、欲望の大地で
    5、人生に乾杯!
    6、ウェディング・ベルを鳴らせ!
    7、チェンジリング
    8、ロルナの祈り
    9、レスラー
    10、夏時間の庭

<日本映画>
    1、ディア・ドクター
    2、空気人形
    3、ウルトラミラクルラブストーリー
    4、インスタント沼
    5、ノン子36歳(家事手伝い)
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