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「ザ・スクエア 思いやりの聖域」リューベン・オストルンド

スクエア
(C)2017 Plattform Prodtion AB / Societe Parisienne de Production / Essential Filmproduktion GmbH / Coproduction Office ApS

「フレンチアルプスで起きたこと」(未見)のスウェーデンのリューベン・オストルンド監督。2017年・第70回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した作品。

知的な企みに満ちた作品である。ストーリー的なカタルシスも何もないので、なんじゃこりゃ?的な映画なので万人におススメはしない。いろいろ考えたい人向きの作品。現代アート美術館のキュレーターのクリスティアン(クレス・バング)を取り巻くアート的世界の人間たちの自己欺瞞や差別、偏見、他者への無関心、階層の断絶などを皮肉を込めて描いた自己批評的な映画。ネット社会の群集心理や暴力やセンセーショナルな過激描写などの問題も浮き彫りにしている。

赤ちゃんの声や女性の叫び声、子供の「助けて」、モンキーマンの野獣の叫び、障害者の卑猥な野次など、なまざまな音が映像に介入し、混乱を引き起こす。「ザ・スクエア」という新たな展示は、通りがかる人々に「思いやりの聖域」として利他主義へと導くインスタレーション。しかし、キュレーターのクリスティアンはある日、広場で逃げ惑う女性を助けたところ、携帯電話と財布を盗まれてしまう。思いやりがアダとなる皮肉。その盗難者をGPSで追求し、「正義」を振りかざして、犯人への告発チラシを団地中の郵便ポストにばらまく。その地域への偏見に満ちた行為がアダとなり、犯人でもないのに犯人と決め付けられた少年の怒りを買う。その少年への対処でさらに事態をこじらせ、自分に好意を寄せるインタビュアー女性との一夜のセックスが意外な詰問に合う。さらにアート関係者のパーティーでの見世物モンキーマンのパーフォーマンスで、野獣のように人々に襲いかかり、一同見て見ぬふり。そして暴力的にモンキーマンを集団でねじ伏せようとしたり、人集めのための話題優先のスキャンダラスなネット動画で批判を浴びたり、次から次へとトラブルが巻き起こる。そこに見えてくる現代人の自己欺瞞や偏見や差別意識。思いやりの聖域の平等意識など、偽善に満ちた空疎なものに思えてくる。

どこかルイス・ブニュエルの『皆殺しの天使』などのインテリ階級やブルジョワジー批判を思い出させる。映画としては、やや観念的な図式性は感じられるものの、他の作品も観たくなる監督。カンヌのパルムドールは出来過ぎな気もするが、こういう知的批判精神はウケるんだろうな。


原題 The Square
製作年 2017年
製作国 スウェーデン・ドイツ・フランス・デンマーク合作
配給 トランスフォーマー
上映時間 151分
監督:リューベン・オストルンド
脚本:リューベン・オストルンド
撮影:フレデリック・ウェンツェル
美術:ヨセフィン・オースバリ
キャスト:クレス・バング、エリザベス・モス、ドミニク・ウェスト、テリー・ノタリー

☆☆☆☆4
(サ)
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

tag : 人生 社会派 皮肉 ☆☆☆☆4

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2017年ベスト10
<洋画>
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    「動くな!死ね!甦れ!」(1989)
    「誰のせいでもない」
    「ありがとう、トニー・エルドマン」
    「オン・ザ・ミルキー・ロード」
    「パーソナル・ショッパー」
    「マンチェスター・バイ・ザ・シー」
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<日本映画>
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/予兆 散歩する侵略者」
    「三度目の殺人」
    「南瓜とマヨネーズ」
    「光(大森立嗣)」
    「息の跡」
    次点「彼女がその名を知らない鳥たち」
    次点「幼な子われらに生まれ」
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2016年ベスト10
<洋画>
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2015年ベスト10
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2014年ベスト10
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      2013年映画ベスト5
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    3、「オンリー・ラバーズ・レフト・アライブ」
    4、「いとしきエブリデイ」
    5、「ムーンライズ・キングダム」
    ※番外「カリフォルニア・ドールズ」(1981年)

    <日本映画>
    1、「共喰い」
    2、「さよなら渓谷」
    3、「恋の渦」
    4、「リアル 完全なる首長竜の日」
    5、「Playback」(2012年)


    2012年映画ベスト10
<洋画>
    2、「少年と自転車」
    3、「Pina ピナ・バウシュ 躍り続けるいのち」
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    7、「風にそよぐ草」
    8、「恋のロンドン狂騒曲」
    9、「おとなのけんか」
    10、「別離」
    次点 「裏切りのサーカス」
番外
    「永遠の僕たち」
    「J・エドガー」
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    3、「演劇1&2」
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    番外 「ヒミズ」


2011年映画ベスト10
    3,「ブルーバレンタイン」
    4,「愛する人」
    5,「クリスマス・ストーリー」
    6,「トゥルー・グリット」
    7,「SOMEWHERE」
    8,「さすらいの女神(ディーバ)たち」
    9,「エリックを探して」
    10,「シリアスマン」
    次点,「エッセンシャル・キリング」

    3,「あぜ道のダンディ」
    4,「マイ・バック・ページ」
    5,「冷たい熱帯魚」

    2010年映画ベスト10
    3、フローズン・リバー
    4、アンナと過ごした4日間(2008)
    5、Babble/バブル(2005)
    6、パリ20区、僕たちのクラス
    7、クレイジー・ハート
    8、ずっとあなたを愛してる
    9、千年の祈り
    10、シルビアのいる街で
    次点、闇の列車、光の旅

    3、川の底からこんにちは
    4、さんかく
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    次点、乱暴と待機


2009年映画ベスト10
    3、リミッツ・オブ・コントロール
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<日本映画>
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