「イメージの本」 ジャン=リュック・ゴダール
「たとえ何一つ望み通りにならなくても、希望は生き続ける」。
ゴタールを追いかけ続けた。わけがわらかなくても、新作が上映される度に、映画館に駆けつけ、ゴタールの新作を観られる喜びを享受してきた。私がゴタールを知ったとき、すでにゴタールは伝説の人だった。フランス・ヌーヴェル・ヴァーグの旗手。初期のゴタールは、めちゃくちゃ新しくてカッコ良かった。カメラをスタジオから解放し、町へと持ち出して、即興演出と同時録音で生き生きとした映画を作った。。映像は躍動し、役者たちは輝いていた。ゴタールのミューズ、アンナ・カリーナは、とにかくキュートで、美しかった。『勝手にしやがれ』のベルモンドも、ジーン・セバークも。『はなればなれに』の映画の高揚感とかっこよさは、忘れられない。『気狂いピエロ』の南仏の光も、『小さな兵隊』や『女は女である』も初期の映画はどれも楽しい。次第に政治の季節を迎えながら、ゴダールは社会と映画そのものと格闘し続けた。そして、88歳になってもなお、ゴダールは最前線を走り続けている。ラジカルに世界と渡りあっている。世界と関わることは、政治的であることから逃れられない。そして、音と映像そのものと根本的に格闘し続けている。
5本の指、5大陸から始まるこの映画は、さまざまな映画や絵画の引用が加工されながら羅列されていく。「リメイク」「ぺテルスブルグ夜話」「線路の間の花々は旅の迷い風に揺れて」「法の精神」「中央地帯」「幸福なアラビア」などとタイトルがつけられているが、その意味するところはさっぱリわからない。暴力、革命、法、戦争、水と死、鉄道、民族、アラブ、女性の顔、色彩、アジテーション、書物、・・・。映像、イメージ、テキストは断片的に繋ぎ合わされ、音も歌も爆発音も暴力的にコラージュされている。
「人々の悲しみが足りないから世界はよくならない」のか?言葉と映像を積み重ねて、ゴタールは世界を変える「希望」を語り続ける。しかし、その「希望」は、本当の希望なのか?私たちは、いつまでもゴダールの後を追いかけ続けるしかない。
原題 Le livre d'image
製作年 2018年
製作国 スイス・フランス合作
配給 コムストック・グループ
上映時間 84分
監督:ジャン=リュック・ゴダール
製作:ファブリス・アラーニョ、ミトラ・ファラハニ
脚本:ジャン=リュック・ゴダール
撮影:ファブリス・アラーニョ
編集:ジャン=リュック・ゴダール、ファブリス・アラーニョ
ナレーション:ジャン=リュック・ゴダール
☆☆☆☆4
(イ)
ゴタールを追いかけ続けた。わけがわらかなくても、新作が上映される度に、映画館に駆けつけ、ゴタールの新作を観られる喜びを享受してきた。私がゴタールを知ったとき、すでにゴタールは伝説の人だった。フランス・ヌーヴェル・ヴァーグの旗手。初期のゴタールは、めちゃくちゃ新しくてカッコ良かった。カメラをスタジオから解放し、町へと持ち出して、即興演出と同時録音で生き生きとした映画を作った。。映像は躍動し、役者たちは輝いていた。ゴタールのミューズ、アンナ・カリーナは、とにかくキュートで、美しかった。『勝手にしやがれ』のベルモンドも、ジーン・セバークも。『はなればなれに』の映画の高揚感とかっこよさは、忘れられない。『気狂いピエロ』の南仏の光も、『小さな兵隊』や『女は女である』も初期の映画はどれも楽しい。次第に政治の季節を迎えながら、ゴダールは社会と映画そのものと格闘し続けた。そして、88歳になってもなお、ゴダールは最前線を走り続けている。ラジカルに世界と渡りあっている。世界と関わることは、政治的であることから逃れられない。そして、音と映像そのものと根本的に格闘し続けている。
5本の指、5大陸から始まるこの映画は、さまざまな映画や絵画の引用が加工されながら羅列されていく。「リメイク」「ぺテルスブルグ夜話」「線路の間の花々は旅の迷い風に揺れて」「法の精神」「中央地帯」「幸福なアラビア」などとタイトルがつけられているが、その意味するところはさっぱリわからない。暴力、革命、法、戦争、水と死、鉄道、民族、アラブ、女性の顔、色彩、アジテーション、書物、・・・。映像、イメージ、テキストは断片的に繋ぎ合わされ、音も歌も爆発音も暴力的にコラージュされている。
「人々の悲しみが足りないから世界はよくならない」のか?言葉と映像を積み重ねて、ゴタールは世界を変える「希望」を語り続ける。しかし、その「希望」は、本当の希望なのか?私たちは、いつまでもゴダールの後を追いかけ続けるしかない。
原題 Le livre d'image
製作年 2018年
製作国 スイス・フランス合作
配給 コムストック・グループ
上映時間 84分
監督:ジャン=リュック・ゴダール
製作:ファブリス・アラーニョ、ミトラ・ファラハニ
脚本:ジャン=リュック・ゴダール
撮影:ファブリス・アラーニョ
編集:ジャン=リュック・ゴダール、ファブリス・アラーニョ
ナレーション:ジャン=リュック・ゴダール
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