「インスタント沼」三木聡

人生うまくいかないときは、水道の蛇口をひねれ」

「ゲッ」と雑誌が廃刊となり、憧れの彼との野望のもくろみは崩れ、ジリ貧で泥沼にはまりこむ女・麻生久美子のコミカルパワー爆発!劇場でゲラゲラと笑ってしまいました。「マーガレットは便所臭い」や超常現象話など奇妙な笑いの連続。テンションが上がらず、古道具屋のオヤジ・風間杜夫に言われる「水道の蛇口をひねれ」のエピソードは、なんだかじんわり泣けてきます。

河童を探して池に溺れた母・松坂慶子もマイペースで好演。奇妙なジリ貧女の麻生久美子に振り回されるパンク男の加瀬亮。風間杜夫がインチキ親爺ぶりでいい味出してます。「時効警察」の常連メンバーのふせえりや岩松了などや村松利史や松重豊、温水洋一など変人役者が続々登場。

「時効警察」の奇妙な笑いにハマった人は、楽しめること間違いなし。三木聡監督のゆるい笑いが炸裂。「亀は意外と速く泳ぐ」に似た作品。「転々」も良かったけど、この作品も結構好きです。

沼の中に捨ててしまった少女に頃のモノたち。見えるものしか信じない。見えないものは沼の底に封印したジリ貧女は、その沼の中から引っ張られるかのように、過去の手紙が沼から出てきて、少女のようにハイテンションで疾走する。そのジリ貧女のもがきぶりに笑いつつ、共感しつつ、次第に見えないものが見えてくるシュールな不思議さ飛び越えて、ラストはファンタジーの域に笑いの果てに到達する。水道の蛇口をひねれば、日常の現実が洗い流されるかのように。

「曲がった釘」のように誰かとひそかに共感できる何かがあれば、うれしくなりますよね。

☆☆☆☆4

(イ)
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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

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