私の映画史・・・好きな映画のこと

映画を見始めたのは、中学生の頃、テレビからだった。

僕が最初にショックを受けたのは、アメリカンユーシネマと言われる作品たち。「俺たちに明日はない」の衝撃のラスト。インポのダメ男のアンチヒーロー。ハッピーエンドと違う予定調和ではないラスト。「真夜中のカウボーイ」の楽園のマイアミ目指したバスの中で、ション便を漏らしながら死んじゃうネズミのダスティン・ホフマン。「スケアクロウ」や「イージーライダー」などの作品は、これまでのヒーロー像とは違う身近な弱さを抱えたリアリティと衝撃を感じた。

それから好きになった映画は、ロベール・アンリコのフランス映画「冒険者たち」。アラン・ドロンとリノ・バンチュラとジョアンナ・シムカスの男2人と女1人のトライアングルの恋愛冒険映画だ。海に沈む財宝をめぐるロマンチックな映画で、美しくせつない音楽がいつまでも忘れられない。男2人と女1人のトライアングル恋愛モノは常套手段だが、僕の中では一番ロマンチックで好きな映画だ。

中学生から高校生にかけて、池袋文芸座や高田の馬場パール座、銀座並木座、上板橋東映・・・いろんな名画座で映画を見まくった。古い日本映画もいっぱい観た。藤田敏八監督の「8月の濡れた砂」という青春映画の傑作がある。石川セリのテーマ曲とともに忘れられない1本でもある。原田芳雄が大好きで「龍馬暗殺」という黒木和雄の映画も好きな作品だ。当時、ATGと言われるアート的な作品も数多く上映され、吉田喜重、羽二進や篠田正浩、大島渚の初期の映画も瑞々しくて良かったなぁ。演劇畑の寺山修司の「田園に死す」も忘れられない。鈴木清順の斬新な映像感覚や神代辰巳のねちっこい演出の「赤い髪の女」も好きだ。虚と実の狭間を描いた今村昌平の「人間蒸発」や「赤い殺意」も斬新だった。新しい時代とともに登場した「青春の殺人者」の長谷川和彦や「台風クラブ」相米慎二、黒沢清や青山真治の「ユリイカ」、是枝裕和の「誰も知らない」など、新しい日本映画も観続けてきた。勿論、古い日本映画・小津安二郎の作品も

一方、ヨーロッパ映画は、ベルナルド・ベルドリッチの「暗殺の森」、ルキノ・ヴィスコンティの「地獄に堕ちた勇者ども」といったファシズムを描いた映画から、フェデリコ・フェリーニの「道」や「アマルコルド」などの独特の世界観を持った作品群も夢中で観続けた。ミケランジェロ・アントニオーニの愛の不毛3部作もたまらない。J=L・ゴダールをはじめトリュフォーやアラン・レネ、エリック・ロメールなどのフランス・ヌーヴェルバーグも夢中になって観た。

イタリアやフランス以外のヨーロッパで好きな映画もたくさんある。ヴィクトル・エリセの「ミツバチのささやき」の火と闇は永遠の美しさだ。「エル・スール」も大好きな作品。そのほかギリシアのテオ・アンゲロプロスの「旅芸人の記録」にも驚いたし、近作「エレ二の旅」もその世界観は健在だった。圧倒的な映像力を持つロシアのアンドレ・タルコフスキーも凄い。「鏡」は永遠の傑作だろう。最近では、エミール・クストリッツァの「アンダーグラウンド」が面白い。フィンランドのアキ・カウリスマキの淡々とした世界も大好きだ。

アメリカ映画では、ジム・ジャームッシュの「ストレンジャー・ザン・パラダイス」は衝撃だった。あの独特の間は、これまでのアメリカ映画にはなかったセンスだ。コーエン兄弟やタランティーノなど新しい作家も台頭しているけれど、ジャームッシュの衝撃には及ばない。

僕の一番好きな映画作家は、前回も書いたように「パリ、テキサス」のヴィム・ヴェンダースだと思うが、あとはジム・ジャームッシュとヴィクトル・エリセあたりになるかなぁ。

時代とともに映画は変わっていく。でも時代を超えて輝き続ける映画もある。映画における一瞬の光と闇の明滅に閉じ込められた幻想は、僕たちに無限の夢と旅と物語を見せてくれる。誰もがこの限られた現実の世界で、そんな無限の映画という幻想世界に惹かれ、夢を見るために、闇に足を運び続けるのだ。




好きな映画たち・・・ ☆☆☆☆☆☆6~☆☆☆☆☆☆☆7

「パリ、テキサス」「ミツバチのささやき」「ストレンジャー・ザン・パラダイス」「ダウン・バイ・ロー」「冒険者たち」「ベティー・ブルー」「バッファロー’66」「インディア・ソング」「鏡」「暗殺の森」「灰とダイヤモンド」「赤い砂漠」「太陽はひとりぼっち」「情事」「道」「アマルコルド」「勝手にしやがれ」「気狂いピエロ」「はなればなれに」「不思議惑星キン・ザ・ザ」「都会のアリス」「ことの次第」「エル・スール」「ナイト・オン・ザ・プラネット」「水の中のナイフ」「大人はわかってくれない」「突然炎のごとく」「死刑台のエレベーター」「鬼火」「緑の光線」「髪結いの亭主」「アメリ」「トト・ザ・ヒーロー」「ポンヌフの恋人」「コントラクトキラー」「マッチ工場の少女」「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」「「バグダット・カフェ」「ブルーベルベット」「レザボア・ドッグス」「真夜中のカウボーイ」「スケアクロウ」「こわれゆく女」「シーズ・ソー・ラヴリー」「フール・フォア・ラブ」「旅芸人の記録」「ノスタルジア」「鏡」・・・

「殺しの烙印」「竜馬暗殺」「台風クラブ」「ションベン・ライダー」「祭りの準備」「人間蒸発」「赤い殺意」「東京物語」「田園に死す」「八月の濡れた砂」「宵待草」「赤い髪の女」「無能の人」「PICNIC」「幻の光」「誰も知らない」「ユリイカ」「地球交響曲ガイヤシンフォニー第三番」「銀河鉄道の夜」「天空の城ラピュタ」・・・

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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

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映画にまつわる雑文です。
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<日本映画>
    淵に立つ
    クリーピー 偽りの隣人
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    ディストラクション・ベイビーズ
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    1、「愛、アムール」
    2、「ホーリー・モーターズ」
    3、「オンリー・ラバーズ・レフト・アライブ」
    4、「いとしきエブリデイ」
    5、「ムーンライズ・キングダム」
    ※番外「カリフォルニア・ドールズ」(1981年)

    <日本映画>
    1、「共喰い」
    2、「さよなら渓谷」
    3、「恋の渦」
    4、「リアル 完全なる首長竜の日」
    5、「Playback」(2012年)


    2012年映画ベスト10
<洋画>
    2、「少年と自転車」
    3、「Pina ピナ・バウシュ 躍り続けるいのち」
    4、「ライク・サムワン・イン・ラブ」
    5、「きっと ここが帰る場所」
    6、「ドライヴ」
    7、「風にそよぐ草」
    8、「恋のロンドン狂騒曲」
    9、「おとなのけんか」
    10、「別離」
    次点 「裏切りのサーカス」
番外
    「永遠の僕たち」
    「J・エドガー」
    「家族の庭」

    3、「演劇1&2」
    4、「夢売るふたり」
    5、「アウトレイジビヨンド」
    番外 「ヒミズ」


2011年映画ベスト10
    3,「ブルーバレンタイン」
    4,「愛する人」
    5,「クリスマス・ストーリー」
    6,「トゥルー・グリット」
    7,「SOMEWHERE」
    8,「さすらいの女神(ディーバ)たち」
    9,「エリックを探して」
    10,「シリアスマン」
    次点,「エッセンシャル・キリング」

    3,「あぜ道のダンディ」
    4,「マイ・バック・ページ」
    5,「冷たい熱帯魚」

    2010年映画ベスト10
    3、フローズン・リバー
    4、アンナと過ごした4日間(2008)
    5、Babble/バブル(2005)
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    7、クレイジー・ハート
    8、ずっとあなたを愛してる
    9、千年の祈り
    10、シルビアのいる街で
    次点、闇の列車、光の旅

    3、川の底からこんにちは
    4、さんかく
    5、ノルウェイの森
    次点、乱暴と待機


2009年映画ベスト10
    3、リミッツ・オブ・コントロール
    4、あの日、欲望の大地で
    5、人生に乾杯!
    6、ウェディング・ベルを鳴らせ!
    7、チェンジリング
    8、ロルナの祈り
    9、レスラー
    10、夏時間の庭

<日本映画>
    1、ディア・ドクター
    2、空気人形
    3、ウルトラミラクルラブストーリー
    4、インスタント沼
    5、ノン子36歳(家事手伝い)
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