「タオ・コード 老子の暗号が語り出す~」千賀一生著

「タオ・コード 老子の暗号が語り出す~」千賀一生著(徳間書店・5次元文庫)という不思議な本を読みました。

中国の奥地の少数民族の村で、個人の争いがない調和に満ちた理想郷のような村人たちに出会った話です。そこでは「老子の書」が、性と宇宙を説く暗号であったと村の老人から教えられたというのです。ダビンチコードのように、老子の言葉も、性の意味を封印した暗号だと。真実のほどは、よくわかりません。

ただとても示唆に富んだことが書かれていました。現代人が欲望に支配され、愛の代償行為としての所有欲や権力欲、物質欲。それらの欲に支配された資本主義社会。隠蔽されることによって欲望が膨らむ性の二重構造。「がんばる」社会の攻撃性などなど。愛がないからこそ、愛に変わるモノを求める欲望の精神構造についてです。愛やセックスについて、それがいかに神聖で尊い宇宙との一体感をもたらすか・・・と、書かれています。

著者があまりにもその村に心酔しきって、賛美し過ぎているので、本当にそうなのかはよくわからないのですが、とても貴重な村であることは間違いなさそうです。そこでは、自然の精霊を感じ敬い、セックスは神聖で自由な行為であり、嫉妬や個人の欲望は消えうせ、ある「一」なるもとに宇宙との調和がとれているそうなのです。

現代の我々は、欲望から逃れるこのができるのでしょうか?この村のような欲望や嫉妬に支配されない男女関係の調和など、とても考えられません。しかし、人は個の枠組みから自由になれるのとき、ひょっとしたら幸福を感じられるのかもしれません。自然や性がキーワードであることは間違いないような気がします。ただ「一」なるものに危険なものを感じるような気もします。「一」ではなく「多」でいいのだと僕は思うのです。「一」なるものに調和できるなんて、やっぱり幻想です。多様性で常に動いているダイナミックな世界にこそ、この世界の魅力があると思うのです。

「愛」という言葉のまやかしの幻想で、人は騙されたりするから危険な言葉でもあるのです。

(た)
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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

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2016年ベスト10
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2011年映画ベスト10
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    3,「あぜ道のダンディ」
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