「チェイサー」

imagesチエイサー

去年評判だった韓国映画『チェイサー』を見る。
韓国映画の執念とか情念とか業とか、その深さがどうも苦手で、これまでわりと避けてきた。
大げさな感情表現がどうも嫌なのだ。

この映画、絶望的に暗い。この感情の深さはただらなぬものだ。
やっぱり韓国映画だ。日本人には作れない。なんだかとてもやりきれない。
暴力映画と言えば、たけしの映画をまず思い浮かべるが、彼の暴力描写は乾いている。
無機的で虚無的だ。
しかし、韓国映画はあくまでも情念の映画なのだ。
ただ、よくできた映画だ。

主役のキム・ヨンソクのたるんだ肉がいい。顔のたるみ具合と体のだぶつき具合が、元刑事でデリヘル経営者の崩れぶりがよく出ている配役だ。犯人役のハ・ジョンウもいい感じの死んだ目をしている。

キム・ヨンスクはひたすら走る走る。車でカーチェイスなんかありはしない。それよりも走るのだ。走って走って、殴りあう。その肉体感覚がこの映画のまずいいところ。

さらに印象的だったのは、子供の泣き叫ぶ顔が車の窓越しに、無音のままその表情を捉えているシーン。母が殺されたかもしれない悲しみを、無音の叫びで上手く表現していた。そして、雨雨雨。雨の中のやりきれない哀しみと暴力。

最近は、この手の殴りあったり殺しあう映画をあまり観ていない。どうもそういう血なまぐさい活力が失せてきたのか、やっぱり苦手だな~と思ってしまった。少女と情けないダメ男のさすらう感じが、ある種典型的なパターンなのだが、はらはらさせつつ、ラストの少女との病室でのシーンは情緒的だ。

拳銃ではない、金槌や鉄杭やゴルフクラブでの暴力シーンはなかなかヘビーでした。

2008年/韓国/125分/カラー/R-15

監督・脚本 ナ・ホンジン
出演 キム・ユンソク/ハ・ジョンウ/ソ・ヨンヒ/キム・ユジョン/チョン・インギ/チェ・ジョンウ/ミン・ギョンジン/パク・ヒョジュ/ク・ボヌン

☆☆☆☆4
(チ)

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テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

tag : 暴力

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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

Author:Yasuo K  ( ヒデヨシ)
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2006年からの映画レビュー。
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