「オーケストラ!」 ラデュ・ミヘイレアニュ

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ラストのチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲が終わった瞬間、「ブラボー!」と立ち上がって拍手したくなる楽しい映画。これぞ娯楽映画だ。多くの方におススメです。気の合う方や好きな方と一緒に楽しい時間を過ごせる映画です。笑いながら、最後はしんみり。元気にうれしくなれる映画です。

もう無茶苦茶なお話。映画は夢を表現する娯楽であることを思い出させてくれます。つまらないお金をかけた大作ハリウッド映画よりも数倍楽しい。細かい辻褄なんてどうでも良くなる。「そんな馬鹿な~」と笑いながら許してしまえる映画です。負け犬たちの敗者復活大作戦。昔のオーケストラのメンバーを集めるシーンは、「七人の侍」のようでありワクワクします。音楽をやられている方からは「あり得ない!」と失笑されるかもしれないけれど、そこんとこは娯楽映画、笑い飛ばしてください。

旧ソ連のブレジネフ政権時代の交響楽団のユダヤ人排斥の事実を基に、皮肉を込めて描かれるロシア。共産党デモにサクラのバイト。ロシアマフィアの拳銃ぶっ放し結婚式、サッカーチームをお金で買うロシア富豪と音楽道楽、ボロ救急車を勝手に乗り回し、さらに空港であり得ないパスポート偽造。パリに着いて、いきなり商売を次々と始めてしまうユダヤ人の描かれ方もかなり皮肉が混じっている。マネージャーのフランス共産党との連帯の時代錯誤、そして一人懐かしの店での食事とベリーダンス。これを見たユダヤ系ロシア人はどう思うのだろう?

監督は、ルーマニア出身のチャウシェスク独裁体制の時代にフランスに亡命していたユダヤ人だそうです。東欧のユダヤ人として、いろいろ思うところがあるのでしょう。楽団員のなかには、ロマのヴァイオリニストも登場します。ロマの人たちの音楽も出てきて、世界的ソリストもビックリするシーンもある。その辺も楽しい。音楽はいろいろと深いですね~。

そして最後のチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲が最高に盛りあがります。この演奏の中ですべての種明しがされるのも巧い。美しきミューズのメラニー・ロラン。「インングロリアス・バスターズ」とはまた一味違う哀しき才能豊かなバイオリニストを好演。演奏中の富豪の姿が笑えます。そして、バラバラだった演奏を高みへと引っ張り上げるヴァイオリンの美しき調べ、その音を聴いた楽団員たちが過去を思い出し、全てがわかって音が合っていくオーケストラの力強いハーモニー、感動的です。堪能下さい。

原題:Le Concert
監督:ラデュ・ミヘイレアニュ
出演:アレクセイ・グシュコブ/メラニー・ロラン/フランソワ・ベルレアン
製作年: 2009年
製作国: フランス

☆☆☆☆☆5
(オ)
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テーマ : ヨーロッパ映画
ジャンル : 映画

tag : 音楽 ☆☆☆☆☆5

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『オーケストラ!』 Le Concert

生きる歓び、ここにあり。 パリのシャトレ劇場からボリショイ交響楽団への出演依頼のFAXを劇場清掃員のアンドレイが見つける。本国フランスで大ヒットしたという楽しくてハートウォーミングな感動音楽映画。日本でも客足は好調なようで観た人誰もが絶賛していると思え?...

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No title

ヒデヨシさん、こんばんは。
私もハリウッド大作が楽しめない体質なんですが、比べて本作は本当に楽しくて感動満点のステキな映画でしたねー。
フランス映画贔屓なのでこのヒットは嬉しいです。
そして、ロマの物語も大好きなので、彼らの役どころとその音楽がまた嬉しかったです。

No title

*かえるさん
コメントありがとうございます。予告を観たときには、「ありえねぇ~、ちょっと出来すぎ?」なんて思っていましたが、たぶん、この滅茶苦茶さが面白かったんだと思います。細かいところのリアリティなどどうでもよくて、一気にラストの曲まで持って行ってしまうパワーに圧倒されたのです。

時として、辻褄があい過ぎていて、凡庸な映画になることがあります。映画には、理路線然とした辻褄よりも大切なリズムがあるんでしょうね。
プロフィール

Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

Author:Yasuo K  ( ヒデヨシ)
札幌でテレビの仕事をしている
オヤジです。
映画にまつわる雑文です。
2006年からの映画レビュー。
それから、本の感想を少し。


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