「ノーボーイ・ノークライ」 キム・ヨンナム

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脚本が「ジョゼと虎と魚たち」「天然コケッコー」の渡辺あやということで気になって見た。妻夫木聡と「チェイサー」のハ・ジョンウの共演で贈る日韓合作ドラマ。監督は「ドント・ルック・バック」の新進気鋭のキム・ヨンナムということだが、初めてである。

おんぼろボートに寝そべる男の俯瞰。反射する太陽。そこに携帯電話が鳴る。韓国から日本へ密輸品をおんぼろボートで運ぶヒョング(ハ・ジョンウ)。気だるい始まりだ。日本でその密輸品を迎える闇組織の手下・亨が妻夫木聡だ。「ヨボセヨ」と声をかける。「それは電話の挨拶だ」と呆れるヒョング。ある時、密輸品の代わりに荷物が「人間」になる。縛られた女…。
こんな風にしてサスペンス風に映画は始まるが、中盤から話はガラリと変わっていく。

亨がどんな家族を抱えているかをヒョングは知らされる。その家族が足枷となり、恋人と結婚さえできないことを。老いた認知症の母と、売春婦のような妹(ヒョングの相手をした女)、そして父親が違う3人の子供と病気の3男は金がなくて医者にも診せられない。一方、ヒョングは幼い頃、母は弟を連れて自分の前から姿を消した。自分だけが捨てられた…。いなくなった母への思い。どうして俺だけの捨てられたのか…。そんなヒョングの思いは、ラスト家族を守るために自分を犠牲にしようとする亨を見て、自分も母を救うために行動する。

この映画は、そんな家族への思いに満ちた男たちの物語だ。家族がいるために、どうしようもなく身動きができない男と、家族に捨てられたために何かを失った男。家族は足手まといでもあり、望郷でもある。渡辺あやの脚本は、そんな対照的な男たちの相克関係をうまく描いている。ショッピングセンターのカラオケ大会に飛び入りで参加して、二人で「アジアの純真」を歌うシーンがいい。

原題:THE BOAT NO BOYS, NO CRY
製作国 日本/韓国
公開情報 劇場公開(ファントム・フィルム)
初公開年月 2009/08/22
監督: キム・ヨンナム
プロデューサー: 久保田修 イ・ジュンホ
脚本: 渡辺あや
撮影: 蔦井孝洋
美術: 磯田典宏
音楽: 砂原良徳
出演: 妻夫木聡、ハ・ジョンウ、貫地谷しほり、チャ・スヨン、イ・デヨン、徳永えり、柄本佑、あがた森魚

☆☆☆3
(ノ)


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テーマ : DVDで見た映画
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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

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