「トイレット」荻上直子

トイレ

最近の日本映画は、やたらと食べ物がでてくる映画が多い。食べる喜びは、確かに生きる喜びなんだけど、こう、どの映画も、食べモノが出てくるとやや食傷気味である。その先鞭をつけたのが「かもめ食堂」かもしれない。あの映画はフィンランドの食堂でのおにぎりがやたらと美味しそうだった。食べ物が重要な要素の映画といえば、思いつくだけでも「食堂かたつむり」「南極料理人」「ホノカアボーイ」…。「歩いても歩いても」でも美味しそうな料理や食事シーンがありました。この映画を観たときの予告編も阿川佐和子原作の「スープ・オペラ」というスープにまつわる映画でした。日本人は食べ物に対するこだわりが強いのかもしれません。食べ物のディテイールに共感してしまうのかもしれません。まぁ洋画でも「マーサの幸せのレシピ」「ジュリー&ジュリア」などなどいろいろありますが…。

さて、この「トイレット」は餃子が印象的に出てきます。餃子を食べたくなる映画です。餃子の具を皮で包むのは、家族らしい行為かもしれません。食べ物は、母の記憶や思い出の味というように、家族を結びつける「幸せ」の大事なファクターがあると言えるでしょう。やや長い感じもしましたが、好感が持てる映画になっています。なんとなく不器用な人間たちの生きる淡々とした映画という意味で、「ラースと、その彼女」という映画を思い出しました。

ばーちゃんとある家族の物語。ロボットのプラモデル好きのオタク青年、パニック障害でひきこもっているピアノの才能がある弟、エアギターに燃える女子大生、そして言葉が通じない日本から来たばーちゃん。それぞれ不器用ながら、一つ屋根の下、ぎこちなかった関係が次第にばーちゃんを軸に結びつきながら、変わっていく…。ほっこりとする映画です。ただトイレからでてきたばーちゃんの深いため息があんなオチだったとは…。TOTOは喜んだことでしょう。猫がいい味を出していました。


監督・脚本:荻上直子
プロデューサー:小室秀一、木幡久美、ショーン・バックリー
撮影:マイケル・レブロン
音楽:ブードウー・ハイウエイ
美術:ダイアナ・アバタンジェロ
編集:ジェームズ・ブロックランド
キャスト:アレックス・ハウス、タチアナ・マズラニー、デビッド・レンドル、サチ・パーカー、もたいまさこ
製作国:2010年日本映画
上映時間:109分

☆☆☆3
(ト)
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

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