「ミックマック」ジャン=ピエール・ジュネ

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「デリカテッセン」で衝撃的な美術と映像とそのブラックなエスプリで驚かせてくれたジャン=ピエール・ジュネは、「ロスト・チルドレン」、そして大ヒット作「アメリ」、さらに大作「ロング・エンゲージメント」と変化してきたわけだけれど、どちらかと言うと原点に戻った感じの作品。「デリカテッセン」や「ロスト・チルドレン」ほどのブラックさはないけれど、彼が好きな世界をとことん楽しんで作っている感じがいい。

なんといっても奇妙奇天烈な登場人物たちがまず楽しい。おなじみの常連怪優・ドミニク・ピノンのギネス記録を持つ人間大砲を始め、頭に銃弾が入った男に、ギロチンで死にそこなった男、ことわざオタクの民俗学者やガラクタ発明家、即座に計算できる女、料理番のお母さん、そしてなんといっても軟体女(ジュリー・フェリエ)がいい。フェリーニの「道」のジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ)を思わせるようなくりくりした目とあの体はどうなってるの?本当なの?という曲芸的な軟体ぶり。

少し漫画チックでもあるキャラクターがデフォルメされた楽しさ。そんな特異な登場人物たちが集まるあのガラクタの城はまるでサーカス小屋だ。夢の城。そこには、社会からはじき出された哀しさと可笑しさと夢と挫折と希望があふれている。笑いとペーソス。この映画はただただ、そんな彼らを楽しむ映画だ。痛快ドタバタファンタジー活劇とでも呼ぶべき楽しさだ。このテイストはフランス映画ならではという感じがする。ちょっとブラックで皮肉がきいている笑いのエスプリ、キュートでアート的でもあるオシャレな世界観。とてもアメリカ映画が真似できる世界ではないと思うのだ。そんな小粋なフランス映画の楽しい楽しい皮肉たっぷりの痛快活劇を皆さんご堪能あれ。



英題: MICMACSA TIRE-LARIGOT
製作年: 2009年
製作国: フランス
日本公開: 2010年9月18日
監督・脚本: ジャン=ピエール・ジュネ
脚本: ギョーム・ローラン
撮影: テツオ・ナガタ
音楽: ラファエル・ボー
キャスト:ダニー・ブーン、アンドレ・デュソリエ、オマール・シー、ドミニク・ピノン、ジュリー・フェリエ、ニコラ・マリエ 、ヨランド・モロー、ジャン=ピエール・マリエール

☆☆☆☆4
(ミ)
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

tag : ファンタジー

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No title

ジュネ監督ならではの映像美で、楽しいなかにも痛烈な皮肉。反戦作品なのではないでしょうか?イタズラ心、満載ですネ♪

ホント、とてもアメリカ映画が太刀打ち出来る世界観ではないような気がします。。。こういう作品を観ると、「やっぱりフランスだな~」と。文化の深さを感じます。

ジュネ&キャロでの作品も観てみたいですね、久々に!

No title

*琳<りん>さん
イタズラ心満載の楽しい映画でしたね。確かに反戦映画の体裁をとっていますね。それもバカバカしいまでのスラップスティックな活劇。ある意味、武器輸出や地雷などの破壊兵器製造の大企業とローテクな廃物利用のハグレ者たちとのドタバタ対決ですね。

子どもじみたイタズラのような無謀なる戦いにこそ、痛快な夢と希望があるのでしょうね。
プロフィール

Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

Author:Yasuo K  ( ヒデヨシ)
札幌でテレビの仕事をしている
オヤジです。
映画にまつわる雑文です。
2006年からの映画レビュー。
それから、本の感想を少し。


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