TPP 食と命のつながり

映画や本の話題ではないのですが、いま政治的に問題になっているTPPと「食」についてひとこと言わせてください。

「食」の問題は、単純な経済だけの問題ではないと思うのです。安ければいいという問題ではないと言うことです。

まず食べることは自然とのつながりにおいて命をいただくということです。
自然に感謝しつつ、私たちは生かされていることは言うまでもありません。
金で食糧なんか何とかなるというのは傲慢な考え方です。自然とのつながりにおいて、その循環の中で人間は生かされていることから逃れることはできません。

そして「食」は農業者の問題ではありません。消費者自身の問題です。何を買い、何を食べるかという問題は、どう生きていくかということです。

一方で、関税が撤廃され貿易が自由化されることによるメリットもあるでしょう。輸出していくことで、あるいはモノや金や人が動くことによって経済が活性化される部分もあるでしょう。

ただ、TPPに参加を表明している国で、日本が輸出できそうなGDPの大きい内需依存度の高い国はアメリカとオーストラリアぐらいです。あとの国は、日本に人材を輸出したかったり、農産物を輸出したい小さな国ばかりです。アメリカはすでに自動車産業は現地生産に転換しているから、日本の輸出はそんなに増えないと言われています。そして関税を撤廃してアメリカは安い農産物を日本に輸出したいのです。つまり、TPP参加はアメリカが喜ぶだけなのです。貿易自由化を考えるなら、日本はそれぞれの国とFTAで条件付きでメリットを探りながら、個別交渉をしていくべきなのです。

農産物が自由化されれば、国内農業では高く売れるものしか作らなくなります。野菜とか。乳製品や小麦や大豆や砂糖やコメの生産者は激減するでしょう。農業がどうなっていくかは、これから国がどのような農業政策を行っていくかにかかっています。

世界的人口増加や食糧危機などの不安を考えると、自国で食糧を自給できないことがどれだけリスクを抱えるか誰にもわかることです。食糧問題は、国の大切な危機管理の問題です。食べることは命をつなぐことなのですから。

「第三の開国」と言って管首相は、貿易自由化(開国)を推し進めています。そこには右肩上がりの経済成長への幻想が産業界にいつまでもあるからでしょう。経済が行き詰まり、日本の人口は減っていて、これから経済は縮小していくしかないのに。いつまでも経済成長の夢を捨て切れないのです。

農業の就農者は高齢化し、減反により耕作放棄地も広がっていく中で、農業のあり方をもう一度見直すべき時に来ているのは間違いありません。法人化や農地の効率的な運用、兼業農家の問題など、保護するだけではなく、自由化に向けて強い農業を作っていくべきなのは言うまでもありません。農業をやりたい人が増えないと、国の未来はないからです。

この関税撤廃、自由化の流れはある意味で世界的な時代の流れで、防ぎようがないのかもしれません。問題は、消費者に国内の農産物を買い支える意識があるかどうかなのです。安い輸入品が入ってきても、消費者が国内農産物を日本の農業を守るために、買い続ける意識があれば自由化にも負けないはずなのです。

要するに貿易自由化は農業者の問題ではなく、消費者の意識の問題なのです。
ヨーロッパの国々は高くても自国の農産物を買い支える意識が高いと聞きます。スイスでは60円もする自国の卵が20円の輸入の卵に負けてはいないそうです。自国の農家を守るために、スイスの消費者は高い卵を買うのだそうです。そこには生産者と消費者の確かな信頼関係があるのです。

「食」の問題は、自然と命の問題です。そして絆、つながりの問題でもあるのです。

経済効率優先の考えの下では、自国の農業は潰れます。広大な農地で大量生産できるアメリカやオーストラリアの規模に日本の農業は、限られた産品以外は太刀打ちできません。付加価値のつく高く売れるものだけ作っていればいいのでしょうか?手に入らないものはお金で買えばいいのでしょうか。「食」は自国民の命の問題です。備蓄や複数国との関係だけで、本当に食糧は維持できるのでしょうか。日本は工業国だから、農業はいらないのでしょうか。地方の田畑は荒れ地になっていいのでしょうか。

TPPについては、さまざまな意見があると思います。ただ僕は、今の政府の貿易自由化の進め方に疑問を感じます。僕がいる北海道は日本の食糧基地であり、TPP参加による影響は大きいと言われていて、今大きく揺れています。

食の未来を考えることは、私たちの命の未来を考えることでもあるのです。
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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

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