「二度はゆけぬ町の地図」 西村賢太

芥川賞をとった西村賢太を読んでみた。
受賞作品ではなく、「二度はゆけぬ町の地図」(角川文庫)文庫本になっていたものだ。

いや~たまげたね~。
ここまで嫌悪すべき男を描くとは・・・。
西村賢太は私小説とも言われるけれど、主人公の男がほんとにヒドイ。笑えるほどだ。
こんな勝手な男そのものなのか、西村賢太は!
たぶん、自分のヒドイ部分、ダメな部分を自分で嗤っているのだろう。
距離がないと書けないと思う。戯画化なのか。 自虐的ともいえる。

ある意味これは、男が持っている醜悪さをすべて凝縮したような男の話だ。
いつも金に困っている日雇い労務者であるのはしょうがないんだけれど、何せ根性が捻じ曲がっている。プライドばかりあって、気が小さく、弱いものには暴力的。

親切な大家さんに逆恨みはするし、呪詛の言葉を吐きかける。自分のぐうたらさを棚に上げて、金が前借りできないと逆上して雇い主にも逆恨み。つきあった女にも、傲慢な態度で不潔だと罵る。「腋臭風呂」などリアルな臭いの不快感も充満していて、買淫相手にさえ、臭いと憤る。これは女性が読んだらどう思うのだろう。そのくせ自分のことを少しも反省しない。金がないことも不潔さもすべてまわりに甘え、自分に甘く、他人が許せない。

男って、ほんとダメなんですね。これは男の醜悪な部分を全部まとめて提示したような小説です。こういう歪んだ心情が膨らんで、理不尽なDVや暴力、殺人が起きるのだろうなぁ~などと思ってしまいました。
僕なんか、そんな男の酷さを笑って読めたけど、不快感をあらわにする人もいるだろうなぁ~。
ある意味、凄いです。

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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

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