ひとしく時間は流れているはずなのに・・・

ひとしく時間は流れているはずなのに…

いつものきょうが ある日 突然 失われた
ある人にとっては 一瞬が何千年も経過したように 
変わり果てたものとなる
それでも容赦なく 時間は流れていて 有為転変
変わらずに動き続けるので 
わたしたちは立ち止まることなんて出来ない


朝吹真理子の芥川賞受賞作『きことわ』を読む。
きことわ

時間と記憶が行きつ戻りつ
身体や影がまざりあい
瞬間と永遠がもつれあう

わたしたちは 伸び縮みする時間の感覚の中で
何を確かなものとして 生きていけばよいのか…


日本は昔から多くの天災を経験してきた。そこには自然への脅威とおそれがあった。しかし、いつしか人間の力でなんでもコントロールできると錯覚した。自然も原子力も、命さえもが。

被災にあっても混乱なく、整然としている日本人が海外から評価されている。被災にあった方を思いやる気持ちは、世界的にみても驚きの共感の仕方なんだろう。それだけ日本人は共同体意識は強いのだ。
一方で見てないところでは、買占めはやめられない。良くも悪くも同調しやすい国民性なのだ。同じ方向に向きやすい。

考えてみると西欧社会は人間への信頼や確信の上に築かれていたような気がする。思想も宗教も哲学も文化も。揺るぎない強い信念と自己主張と他者を排斥する傲慢さ。だからこそ、ここまで発展を遂げてこれたのだ。

一方で日本人は、揺るがない信念や確信というものをなぜか持てない。いつも揺れながら、すべてを包み込んで、腹に含んでやり過ごしてきた。対立軸がいつも曖昧になる。それは、こういう災害が多いという地勢的な環境が関係しているような気がするのだ。自然への脅威や感謝とともに、自然とのつながりにおいて生きてきた。自然に神が宿る的なアニミズム的心象は、日本人の多くが今でも持っている。だから、謙虚なのだ。他者を排斥するような強さや信念や確信がない。これは、いいところでもあり欠点でもある。グローバルな自由競争社会の中では、勝ち残れない。

でも考えてみると、他者を思いやる共感や共同体意識こそ、これからの時代に必要なものなのではないだろうか。経済がどこまでも伸びていた時代から、わたしたちは高齢化社会を迎え、若い人が減り続ける人口構成の中で、大きな経済成長は見込めない時代を迎えている。だからこそ、地域の共同体が大切なのだ。つながりが大事なのだ。

経済の真実をあっさりと突いた『デフレの正体~経済の「人口の波」で動く~』も面白い本でした。
デフレの正体

日本人がこれまで大切にしてきたこの共同性へ共感、他者への思いをもう一度、取り戻す時なのかもしれない。謙虚に自然と共生しながら。


ファティ・アキンの『ソウル・キッチン』を観ました。地震後、やっと映画を観れる気持ちになったので。ドイツのハンブルクは移民が多くいる街だそうです。何でもありの痛快な人生喜劇。音楽が最高にゴキゲンでした。


笑いも悲しみも死も 音楽もダンスも演劇も 
すべてひっくるめて 引き受けて
生きていくしかないのです。

いま やれること できることを
楽しむことしか ないのだと思うのです。
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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

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映画にまつわる雑文です。
2006年からの映画レビュー。
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2016年ベスト10
<洋画>
    ダゲレオタイプの女
    マイ・ファニー・レディ
    キャロル
    シング・ストリート 未来へのうた
    リザとキツネと恋する死者たち
    グッバイ・サマー
    サウルの息子
    マジカル・ガール
    ブリッジ・オブ・スパイ
    手紙は憶えている
<日本映画>
    淵に立つ
    クリーピー 偽りの隣人
    海よりもまだ深く
    ふきげんな過去
    SCOOP!
    永い言い訳
    オーバー・フェンス
    ディストラクション・ベイビーズ
    葛城事件
    湯を沸かすほどに熱い愛
    次点この世界の片隅に


2015年ベスト10
<洋画>
    やさしい女
    さよなら人類
    さらば、愛の言葉よ
    毛皮にヴィーナス
    雪の轍
    愛して飲んで歌って
    サンドラの週末
    サイの季節
    インヒアレント・ヴァイス
    ソニはご機嫌ななめ

<日本映画>
    海街dairy
    岸辺の旅
    FOUJITA
    百円の恋
    この国の空


2014年ベスト10
<洋画>
    エレニの帰郷
    グランド・ブタペスト・ホテル
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    ウルフ・オブ・ウォールストリート
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    インサイド・ルーウィン・デイヴィス
    6才のボクが、大人になるまで。
    フランシス・ハ
    ウォールフラワー
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    <日本映画>
    そこのみにて光輝く
    ニシノユキヒコの恋と冒険
    紙の月
    Sventh Code
    私の男


      2013年映画ベスト5
<洋画>
    1、「愛、アムール」
    2、「ホーリー・モーターズ」
    3、「オンリー・ラバーズ・レフト・アライブ」
    4、「いとしきエブリデイ」
    5、「ムーンライズ・キングダム」
    ※番外「カリフォルニア・ドールズ」(1981年)

    <日本映画>
    1、「共喰い」
    2、「さよなら渓谷」
    3、「恋の渦」
    4、「リアル 完全なる首長竜の日」
    5、「Playback」(2012年)


    2012年映画ベスト10
<洋画>
    2、「少年と自転車」
    3、「Pina ピナ・バウシュ 躍り続けるいのち」
    4、「ライク・サムワン・イン・ラブ」
    5、「きっと ここが帰る場所」
    6、「ドライヴ」
    7、「風にそよぐ草」
    8、「恋のロンドン狂騒曲」
    9、「おとなのけんか」
    10、「別離」
    次点 「裏切りのサーカス」
番外
    「永遠の僕たち」
    「J・エドガー」
    「家族の庭」

    3、「演劇1&2」
    4、「夢売るふたり」
    5、「アウトレイジビヨンド」
    番外 「ヒミズ」


2011年映画ベスト10
    3,「ブルーバレンタイン」
    4,「愛する人」
    5,「クリスマス・ストーリー」
    6,「トゥルー・グリット」
    7,「SOMEWHERE」
    8,「さすらいの女神(ディーバ)たち」
    9,「エリックを探して」
    10,「シリアスマン」
    次点,「エッセンシャル・キリング」

    3,「あぜ道のダンディ」
    4,「マイ・バック・ページ」
    5,「冷たい熱帯魚」

    2010年映画ベスト10
    3、フローズン・リバー
    4、アンナと過ごした4日間(2008)
    5、Babble/バブル(2005)
    6、パリ20区、僕たちのクラス
    7、クレイジー・ハート
    8、ずっとあなたを愛してる
    9、千年の祈り
    10、シルビアのいる街で
    次点、闇の列車、光の旅

    3、川の底からこんにちは
    4、さんかく
    5、ノルウェイの森
    次点、乱暴と待機


2009年映画ベスト10
    3、リミッツ・オブ・コントロール
    4、あの日、欲望の大地で
    5、人生に乾杯!
    6、ウェディング・ベルを鳴らせ!
    7、チェンジリング
    8、ロルナの祈り
    9、レスラー
    10、夏時間の庭

<日本映画>
    1、ディア・ドクター
    2、空気人形
    3、ウルトラミラクルラブストーリー
    4、インスタント沼
    5、ノン子36歳(家事手伝い)
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