流氷の上で思ったこと

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春が近づき、岸壁から離れてしまった流氷を追いかけて知床の海へ。
国後島が間近に迫りつつある中間ライン(国境)近くの海。

青い空と海に浮かぶ白い氷のカケラたちが次第に大きくなっていく。
ガリガリと氷の欠片を分け入り、見渡す限りの白い世界へ。

船のエンジン音を切ると、それは全くの静寂の世界。
鳥の鳴き声と風の音がわずかに聞こえるだけ。
船を氷に係留し、流氷の上に降り立つと不思議な感覚にとらわれる。
まるで別世界の静寂。

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そして春の出産シーズンを迎えつつあるクラカケアザラシが
あちこち流氷の上で寝そべっている。
メスはお腹が大きく、もうすぐかわいい赤ちゃんが産まれるのだという。

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震災や原発の事故があったなんて、まったく忘れてしまうような
別世界がここにはあった。

知床近くの川では、去年の秋に戻ってきて産卵を終えた鮭の卵が、石の下でひっそりと冬を越し、命が息づいていた。

見慣れたイクラは、石の下で孵化し、稚魚が泳いでいて川面に浮かぶ虫を食べていた。そしていつか海原を目指す。3年から4年かけて北太平洋をまわり、再びこの川に戻ってくるという不思議なサイクル。

ささやかな営みがすべてつながっている。流氷も鮭もアザラシもオオワシもクジラやシャチも、そして人間も。

地震や津波があっても、このささやかな営みが続く。
時間は流れ、季節はめぐる。
桜前線は南から北上し、5月にはこの知床にもやってくる。

慌てず騒がず静かに見守りたい。
われらもささやかな営みを続けるしかないのだ。
物がなかろうと、停電になろうと、
われらも自然とともに生きていくしかないのだ。
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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

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映画にまつわる雑文です。
2006年からの映画レビュー。
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