「ダンシング・チャップリン」周防正行

チャプリン

『ブラック・スワン』を観る前に、こっちのバレエ映画を観てみた。周防正行は寡作ながら、観客を意識した良質の商業映画をこれまでちゃんと撮ってきた監督だから。

ただ今回はちょっと残念な映画だった。

バレエの舞台の魅力をそのまま映像化してもやはり伝わらない。第一幕のドキュメンタリーの方が面白いのは皮肉だ。第二幕は全編、バレエ作品。ローラン・プティ振付のルイジ・ボニーノのチャップリンのダンス公演は、それなりに興味があるし、舞台は是非見てみたい。しかしながら、それをそのまま映像化して見せることに、やはり限界があるのだ。舞台はきっと面白いと思う。ダンスの臨場感は、舞台でしか伝わらない。警官たちのダンスを周防監督がこだわって公園で撮影しようが、ラストでルイジ・ボニーノを森の道を歩かせようが、観客には何も伝わらない。もう少し、ストーリー的なものがないと観客の興味は引っ張れなかったのではないか。まだ一幕のドキュメンタリーのなかに本番の映像を入れていった方が、見やすかったような気がする。一幕と二幕の間に幕間の休憩を入れて、観客に期待感を抱かせてくれるのは面白いんだけれど…。その期待した二幕は、少し眠くなってしまった。

周防監督が愛する妻の草刈民代の美しきバレエ姿を撮影したかっただけなのか…とも思えてくる。これは彼のプライベイト・フィルムか…。

製作年: 2010年
製作国: 日本
日本公開: 2011年4月16日
監督・構成・エグゼクティブプロデューサー: 周防正行
振付: ローラン・プティ
音楽: チャールズ・チャップリン / フィオレンツォ・カルピ / ヨハン・セバスチャン・バッハ / 周防義和
撮影: 寺田緑郎 / 西村博光 / 高岡ヒロオ
キャスト:ルイジ・ボニーノ、草刈民代、ジャン=シャルル・ヴェルシェール、リエンツ・チャン、ナタナエル・マリー、マルタン・アリアーグ、グレゴワール・ランシエ、ユージーン・チャップリン、ローラン・プティ

☆☆☆3
(タ)
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ジャンル : 映画

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