「大津波と原発」内田樹×中沢新一×平川克美

原発事故をめぐる3人のネットラジオでの鼎談をまとめたものだから、あっという間に読めてしまう。ただここには表層的な言説ではなく、今回の問題の根源的なことが語られていると思う。興味深い3人の発言をメモしてみた。


テクノロジーに未来予測については、人間は必ず安全性を過大評価し、コストを過小評価する。人間は「そういうもの」。クラフトマンは「危険なものは危険です」って言うのが仕事で、ビジネスマンは「多少は危険でも利益が出なきゃ話にならん」て言うのが仕事。倫理的な問題ではなく、制度設計の問題であり、コストを気にしないで技術的な完成を求める人たちと、とにかく安く電力をつくろうとする人たちを、「拮抗させる」システムが絶対必要。(内田)

7.11を境にして、日本の近代史がポキッと折れた。
大平洋戦争の敗北でも折れなかった「なにか」、戦後には別の形をとって発展を遂げていった「なにか」、今度こそポキッとくじけて、そこからさてどちらの方向へ芽が出ていくのだろうかというまことに重要な分岐点に今、来ている。(中沢)

日本では、原発のような危険なテクノロジーを扱うような知的訓練を受けていないから、原発反対。人間の愚鈍さ。かなり高いレベルの知性が集団的、継続的に必要。(内田)

原子力エネルギーはたかだか70年の歴史。
火の歴史は、何万年もの蓄積の結果だ。
毒物を取り入れて薬物に変えてきた人類の歴史。
火はもともと危険なものだったが、何千年もかけてまわりにフィルターを作って、役に立つようなものにした。
そして、原子核の中の原子の結合エネルギーを取り出そうというのは、今までの生態圏になかったエネルギー形態。原子力は、生態圏の外にあるエネルギーであり、誰も責任が取れないし、コントロールできない。(中沢)

原子力は一神教における神に類するものだよね。
原発事故は、日本人の「霊的な力」に対する畏怖の欠如。
「鬼神をちゃんと祀らないと祟りがある」、「死霊」、眼に見えず、耳に聞こえず、匂いも、触感もない「それ」を感知できるようにセンサーの感度を最大化しろ。
自分の生存にかかわる、何かとてつもなく危険なものが接近してくるときに「アラーム」が鳴るような心身の訓練をしてきた。この「アラーム」こそが、人間が人間性を基礎づける根源的な能力。その力を基礎にして、人類は文明を築いた。その「アラーム」の機能不全が今回の原発事故だ。安全で豊かに暮らせる「合理主義者」の錯覚。窮乏と貧乏をベースに、人間は能力開発プログラムを作りだしてきた。「アラームの劣化」と「霊的再生」プログラムについての対話が必要。(内田)

「緑の党」へ。宮沢賢治のイーハトヴ思想、首都機能の分散。(中沢)
東京の使命は終わった。(内田)

原発はフレンドリーなものじゃない。もっと呪鎮しなければいけない。(内田)
前代未聞の事態に「どうしたらいいんですか?」すぐ答えを求めるのではなく、徹底的に自分で考えるクセを持つこと。(平川)


(お)
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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

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    3,「あぜ道のダンディ」
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