「引き裂かれた女」クロード・シャブロル

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フランス・ヌーヴェルヴァーグの巨匠、クロード・シャブロルの遺作である。クロード・シャブロルは『いとこ同士』ぐらいしか観ていない。ブルジョワジー社会の退廃を描いてきたの映画作家とも言われている。

「20世紀初頭にアメリカで起きたスタンフォード・ホワイト事件を題材にしたサスペンスムービー」とのコピーがあるが、それほどサスペンスでもない。エロおやじの小説家とテレビの美人お天気おねぇちゃんと金持ちのドラ息子の三角関係の憎劇だ。

『スイミング・プール』のリュディヴィーヌ・サニエがより一層、美しくなった。最初にお天気キャスターのガブリエル(リュディヴィーヌ・サニエ)のアップが映し出される。とてもキュートな美女だ。初老の作家シャルル(フランソワ・ベルレアン)は自分の最新小説のインタビューを受けるために地方から久しぶりに都会に出てきたテレビ局で、彼女に出会う。そして古本のオークションに彼女を誘い出し、あっという間に陥落させてしまう。一方、金持ちのドラ息子・ポール(ブノワ・マジメル)も必死に彼女に言い寄る。

ちょっと前に観た『エレジー』にも似ているが、若き美女が簡単に初老のインテリにイカれてしまうのだ。そこに心理的葛藤などない。この物語は、彼の仕事部屋で性を教え込まれ、あるパーティーにまで彼女は彼の言うままに連れて行かれ、そのことが後で、ポールの苦悩の原因となる。簡単にシャルルに捨てられたガブリエルはノイローゼ状態になり、結局優しくされたポールと結婚するが、ポールはガブリエルの過去が気になって、結局うまくいかなくなる。そして事件が起きる。

ラストの場末のマジックショーでモデルとなるガブリエルが哀しい。お天気キャスターで人気の的であり、さらなるテレビの世界での飛躍が期待されていたのに、初老のエロ小説家を好きになったばかりに、何もかも失ってしまう。汚れのない美しいアイドルが男を知り、性を教わり、を失い、空っぽになって堕ちていく不幸な女の物語だ。

そんな性の三角関係の事件簿みたいなドロドロの憎劇だけど、それほどドロドロもしていないし、サスペンスフルでもない。ドラ息子のポールやその母親たちの金持ち家族の生活への冷めた視線のようなものを感じる。そして、小説家シャルルの妻との知的な関係と、その一方でのシャルルの性的放蕩への皮肉なども感じられる。男と女の憎を描いたというよりも、ブルジョワやインテリたちの風俗とその世界への冷めた視線が感じられる映画だ。

すごく面白いわけでもなく、まぁ風俗的なフランス映画らしい恋劇だ。ただ僕は、リュディヴィーヌ・サニエのキュートな美しさを眺めているだけで十分楽しかったが・・・。


英題: LA FILLE COUPEE EN DEUX
製作年: 2007年
製作国: フランス
日本公開: 2011年4月

監督: クロード・シャブロル
脚色・ セシル・メストル、クロード・シャブロル
撮影: エドゥアルド・セラ
キャスト:リュディヴィーヌ・サニエ、ブノワ・マジメル、フランソワ・ベルレアン

☆☆☆3


(ヒ)
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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

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