三谷幸喜の「制約からの創造」と「男の幼児性」

三谷幸喜を特集した「プロフェッショナル 仕事の流儀」(NHK)を見た。

「制約の中に、答えがある」という彼の流儀。

空間的制約、時間的制約を自らに課しながらドラマを組み立てていくその手法は、彼の真骨頂だ。限られた条件の中でこそ、人間は追い込まれ、人間らしさを発揮する。そこで繰り広げられるコメディこそ彼の作品世界だ。

「12人の優しい日本人」から始まった彼の作品群は、すべてその手法といえるかも言えるのかもしれない。「王様のレストラン」も「古畑任三郎」も条件が限定された中でのドラマだ。演劇、テレビドラマ、映画・・・、彼はいつも自らに制約を課し、迷うとその制約の中にヒントを見出す。そしてその制約の中かから生まれたドタバタぶりを見事に描き出す。

なるほどな~と思う。「制約をバネにする」、これは実生活の仕事でも同じかもしれない。制約こそが能力が開花されるバネになる。制約がなければ、人など伸びないし、モノを考えない。制約があるからこそ、そこを突破しようと知恵を絞り、頑張るのだ、きっと。


映画「ステキな金縛り」の宣伝活動の一環で、最近彼はいろいろ作ってる。
「ステキな隠し撮り」というドラマは、ほぼ「有頂天ホテル」と同じようなホテルを舞台にしたコンシェルジュの物語だった。VIPルームに泊まる困らせるワガママな客とそのワガママに翻弄される若きコンシェルジュ・深津絵里のエピソード。

2時間近くあるドラマを大胆になんとワンカットで撮ってしまった「short cut」(WOWOW)は、今にも離婚しそうな夫婦(中井貴一、鈴木京香)が祖父の葬式に出て、その帰り道、森の中で迷い、ケンカしながら歩く物語だ。ワンカットで映画(「ロープ」)を作ってしまったヒッチコック以来の大胆なチャレンジ。このとんでもない制約で、役者やスタッフはさぞかし大変だったことだろう。ただ、このドラマは残念ながら、ダラダラと長くて厳しかった。1時間ぐらいなら面白く見れたかもしれないけれど、あまりにも長すぎた。ワンシーンワンカットは、ただの制約でしかなかった。

この二つのドラマを見て思ったことがある。それは、三谷幸喜という男の幼児性だ。「男の幼児性とその幼児性に付き合い文句を言いながら面倒を見る女性」という関係の構図が二つのドラマに共通している点だ。それはどうしても、実生活の三谷幸喜と小林聡美の関係を思い浮かべてしまう。

とにかく男がワガママで子供みたいで大騒ぎなのだ。男はいくつになっても幼児性が抜けないものである。そのことは認めるにしても、あまりにもその自らの自分勝手な思いを女性にわかって欲しいということになると、さすがに女性だって面倒見切れないと思う。小林聡美もさぞかし、手を焼いたことだろうと思った。

まぁ、それが良くも悪くも三谷幸喜の面白さなのだが。
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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

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