ツイッターとFacebookと・・・スピードと単純化の罠

Facebookを始めて以来、いろいろネットで確認しなければいけない時間が増えている。これは果たして有益な時間なのだろうか。mixi、ツイッター、そしてFacebook。それぞれどんなものか・・・と思って始めてみたが、最近それぞれに費やす時間に疑問を持つ場合がある。

SNSの時代といわれて久しいが、ネット上で展開されるコミュニティ。たしかにそれぞれの利点はある。mixiは見ず知らずの趣味嗜好の同調者と関係を持ちやすいし、ツイッターは圧倒的な拡散のスピードがあり、情報を広めるには便利な道具だ。マスメディアよりも遥かに迅速に情報が伝わることは、東日本大震災などの災害時でも、その役割が証明された。そしてFacebookは実名での書き込みが標準なため、仕事上で活かされる要素が大きい。仕事上の人間関係を広めるには有効だ。さらに実名のため、古い知り合いなどから突然の連絡など、嬉しい面もある。

だがしかし、すべてが必要な情報というわけではない。メールも含めて、それらの個々のネット上の情報を一覧するだけでも多くの時間を要する。それが本当に必要で有益な時間かどうかが、問題なのだ。いつも疑問に思うのだが、ツイッターで多くの方のフォローをしている場合、あっという間にTL上の書き込みが溢れ、斜め読みするだけで時間がかかる。僕はそれほどの数のフォローをしていないけれど、その僕でさえも読むのが面倒になる。面倒なら読まなければいいのだけれど、たまに有益な情報もあったりする。Facebookもまた、仕事の関係もあり「友達申請」をいちいち断るのも角が立つので、承認していると、これはもうどうでもいい人々の情報が日々流れ込んでくる。まぁ、ほとんどが、日常でどこへ行っただとか、何を食べただとかいう情報なのだが、そこに何の思い入れもない人だったりすると、ただただ必要ない情報なのだ。

駅や街角で、人々が常にスマートフォンやケータイをいじっているのを見ると、それぞれのネットコミュニティの情報確認に忙しいのだろうと思う。果たしてこれは、人々にとって有益なことになっているのだろうか。

世の中、単純化とスピードと拡散の時代。ネット上のつながりは増えても、深まりのある関係は築けていないような気がしてならない。そもそも友達なんて、簡単に関係が出来るわけではなく、それぞれの会話の積み重なりから生まれてくるものだ。拒否されることに、とてもナーバスな日本人は、とりあえずの「友達」を作って安心する。僕にとってmixiはまだ、それぞれの日記などの文章で、それぞれが考えていることや人となりがわかるので、興味を持って接することができるのだが、Facebookとなると、どうでもいい情報が多すぎて嫌になる。これは友達をちゃんと制限し、整理しないからなのだが、う~ん、それも煩わしい。

ツイッターも同じようにどうでもいい言葉が並んでいるのだけれど、発言が興味ある人だけを選んでフォローしているので、まだマシなのだ。皆さんは、これらの時間をどう思って使っているのだろうか。

まぁ、必要ないと思えばやらなければいいだけの話なので、それは自分にとってどう整理するかという問題に過ぎない。だけど、このネット上のコミュニティ社会について、やはり疑問が残る。みんな、道具に振り回され過ぎなんじゃないかと思うのだ。本当に必要なことを選別できずに、ただただ多くの情報閲覧に時間が割かれているだけになっていないのか、ということだ。便利な道具はやはり使いようであり、使い方を間違えるの、主客が逆転し、道具に使われたりするものだ。全ては使い方で、「良し悪し」である。

ケータイが出てきた時に、恋愛関係に大きな影響が及ぶと僕はことあるごとに言っていた。愛を熟成させる時間がケータイの出現によって奪われたのだ。待ち合わせもすれ違いも成立しなくなり、時間をかけて信じることも、待つことも、人は嫌うようになった。すべては瞬間瞬間の判断となり、スピードが命、「今」が全てとなった。関係をゆっくりと熟成させる時間がなくなったのだ。だから、関係は浅くなり、続かなくなった。

さらにツイッターなどが出現し、情報はさらなるスピード化の時代を迎えた。そして物事は160文字で単純化され、拡散される。深い討論も、複雑な物事も単純な思考回路で処理される。さらに同じような意見の人々が集まり、同調化機能が強まり、排他的になる。

ネット上の関係はあくまでも仮想的な関係であり、それが全てではない。そのことを誤解せずに付き合わないと、人々はその仮想関係に振り回され、錯覚するだけだ。関係は、表情や身体の息づかいや思いや言葉を積み重ねないと、何も生まれない。「数」よりも「質」がいつだって問われているのに、人々はその「数」で安心しようとする。「わたしは一人じゃない」と。多くの同じ考えを持つ人がいて、同じことに共感を得る人がいると思って安心したい。だけど、「わたしは一人」でしかないのだ。ネット上の共感があったとしても、それはその場だけの共感であるだけだ。「わたしはたった一人だ」という覚悟からしか、人との関係など築けやしない。人はみんな違うのだ。他人を理解することなど出来るはずがないのだ。ましては自分こそが最大の謎であるはずなのに、自分のことさえも「型」に嵌めて安心しようとしてしまう。

物語の単純化の罠は、いま、社会のいたるところで進行している。それはマスメディアそのものが陥る罠でもあるし、複雑な世の中を単純化して理解したいという人々の欲望に基づいてもいる。だけど、いつだって人も世の中も、すべてが複雑だし、メリット・デメリットが複雑に絡まりあっている。原発だって、TPPだって、単純な話じゃない。人を単純な鋳型にはめて納得するのではなく、様々な局面を考えなければならないのと同じように、社会や物事も、さまざまな局面から考える癖をつけないと、単純な物語の罠にいつでも嵌まる危険があるのだ。

スピードと単純化の罠に陥ってはならない。
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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

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