「暗黒街の女」ニコラス・レイ

ゴダールが、トリュフォーが、ヴィム・ヴェンダースやジム・ジャームッシュが影響を受けたと言われるニコラス・レイ監督、実は「夜の人々」と「理由なき反抗」ぐらいしか僕は見ていない。生誕100年を記念してWOWOWで放送されたニコラス・レイ特集の中から。

暗黒街のギャングのボス(リー・J・コッブ)のお抱え弁護士をやっているロバート・テイラー、イイ男ながら足が不自由で、裁判ではその足の不自由さを利用して陪審員の同情を買うような心にねじれた男だ。一方、原題でもあるパーティー・ガールの踊り子たちは、ギャングの夜の相手をわずかな金でさせられる。金で身を売るいわば売春婦のような存在。男なんか好きになってもしょうがないと思っているショーダンサー、シド・チャリシー。そんな二人が出会い、恋をし、魂を売り渡した世界から自由になろうとするのだが…。

裁判で作り話をした父の形見の時計のエピソードが、ラストで女を救うために再びロバート・テイラーによって語られる。自らの足を痛めたのは、父親に買ってもらった時計を子供のころに不良に奪われそうになって、ギャングのボスになったお前が俺を救ってくれたのだ…お前は弱い者いじめをするような奴じゃなかった…と女に硫酸をかけるのを止めさせようと説得する場面がある。この話が本当にあったことなのか、彼の口から出まかせの作り話なのかわからないまま、ボスは自ら硫酸をかぶり死んでしまう。

色彩たっぷりにシド・チャリシーの見事なダンスシーンが何度も描かれる。ミュージカルとメロドラマとギャングの抗争という奇妙な取り合わせの映画だ。



暗黒街の女(1958)PARTY GIRL
製作国 アメリカ
監督: ニコラス・レイ
原作: レオ・カッチャー
脚本: ジョージ・ウェルズ
撮影: ロバート・ブロンナー
音楽: ジェフ・アレクサンダー
出演: ロバート・テイラー、シド・チャリシー、リー・J・コッブ、ジョン・アイアランド、ケント・スミス

☆☆☆3
(ア)

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