「かぞくのくに」ヤン・ヨンヒ

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ドキュメンタリー出身の在日コリアン2世のヤン・ヨンヒ監督が、自らの体験を題材に描いた初の劇映画。北朝鮮の「帰国事業」により日本と北朝鮮に別れて暮らしていた兄ソンホと妹リエ。病気療養のためソンホが25年ぶりに日本へ戻り、2人は再会を果たした。その兄が再び北朝鮮に帰るまでの家族の数日間の物語。

ドキュメンタリー出身監督らしく、手持ちのカメラで微妙に揺れながら、ワンカット長回しで人物を押さえようとしていて、やや見ずらい。いかにも低予算で撮られたという印象。それでもARATA改め井浦新が演じるソンホが急に北朝鮮に帰ることになって、京野ことみに別れを告げる夕景の川バックの俯瞰ショットは良かった。

監視役のヤン・イクチュンの存在が効果的だ。北朝鮮という国に翻弄された哀しい家族の悲劇だが、それだけで終わらせていない。「あなたもあなたの国も大嫌い」と妹のリエ(安藤サクラ)に罵られるも、そんな国・北朝鮮で生き続けなればいけない男ヤン・イクチュンの無言の苦悩…。北朝鮮の監視者も単なる悪者ではなく、生きることの不自由さを体現しており、物語に厚みを与えている。井浦新も寡黙なうちにも時折見せる苦しみや父への複雑な思いなどを好演。「あの国では何も考えちゃいけないんだ」というセリフも重みがあった。そして、この映画の印象を支えているのは、なんと言っても安藤サクラの好演だろう。気張らずに、兄への思いと「わからなさ」を等身大で演じている。

国に分断された家族の物語を、大げさな悲劇としてではなく、日常の延長として、ささやでそれぞれの苦しみを静かに、人物を限定して描いているところは好感が持てる。

製作年 2012年
製作国 日本
配給 スターサンズ
上映時間 100分

監督:ヤン・ヨンヒ
企画:河村光庸
エグゼクティブプロデューサー:河村光庸
プロデューサー:佐藤順子越川道夫
原案:ヤン・ヨンヒ
脚本:ヤン・ヨンヒ
撮影:戸田義久
照明:山本浩資
音響:菊池信之
美術:丸尾知行
装飾:藤田徹
衣装:宮本まさ江
編集:菊井貴繁
音楽:岩代太郎
キャスト:安藤サクラ、井浦新、ヤン・イクチュン、京野ことみ、大森立嗣、宮崎美子、津嘉山正種

☆☆☆☆4
(カ)
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ジャンル : 映画

tag : 社会派 ☆☆☆☆4

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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

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