「その未来はどうなの?」橋本治(集英社新書)

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橋本治氏は、2001年秋に免疫系の病気にかかり、疲れやすく集中力がなく、すぐ眠くなり、足の歩行もままならぬ「めんどくさい病気」にかかってしまったそうである。そんな体力も気力もなくなっていくなかで、「気力を振り絞って知力を機能させ、その刺激によって体力を目覚めさせる」ために、「俺は何にも分からないけれど、何が分からないんだろう?」と考え出したのがこの本だそうだ。

テレビとはそもそも「いい加減なもの」であるという前提に立つテレビ論、「指針なき時代」の「関係を拒絶した」ドラマの未来論、中央集権的な「えらそうな」出版界と「中心」がないインターネット社会、「生活感」が排除されてきた町のシャッター商店街と結婚について、「女にとって“美人”が権利」であり、権利に目覚めた女性はどんどん「美人」になっている時代の男女論、歴史とは支配者が自分の正当性を確認するためのものであり、時代によって書き直される歴史論、どうなるかではなく、どうするかのTPP論、「なにも決められない」民主主義の必然と「自分の言うことはみんなのためになっていることだんだろうか?」と問うことの大切さを説く民主主義論などなど、話題は多岐にわたっており、平易な言葉で「分からないこと」について真摯に考えている。彼の言葉に導かれて、ひとつひとつのことを自分の頭で考えてみることこそが大切なのだ。

自分の利益ばかり求めていた王様は、その結果すべてを失いました。「王様」になってしまった国民だって、それは同じです。だから、「自由すぎる王様」になってしまった国民は、自分以外の「国民のこと」を考えなければいけないのです。しなければいけない議論の方向を「自分の有利になる方向」に設定しないことです。「自分の言うことは、みんなのためになることなんだろうか?」と、まず考えることです。「自分の言うことはみんなのためになっている」と言って、それが「利害関係を同じくするみんな」のためだけになっていないのか、と考えることです。

人類は長い間続いていた「力によってリーダーを決める。強いものが支配者になる」という前提を、いつの間にか崩してしまったのです。そして、私にとって、「言葉というものは事態の後追いをする」です。「何にも決められない事態になってしまう」ということの打開策――つまりそのための言葉は、「なんにも決められない事態」がやって来ないと考えられないのです。自分のためではなく、みんなのために考える――自分もみんなの一人なんだからというのは、結構新しい考え方で、これからのものだと思いますがね。



(そ)
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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

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映画にまつわる雑文です。
2006年からの映画レビュー。
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