「東南角部屋二階の女」

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なんだか奇妙なまったりとした映画だ。古ぼけたアパートの部屋が映し出され、画面には人物の顔が映らない。カメラは畳の部屋と人物の下半身のみを映す。どうやら父親が莫大な借金を残して死んでしまった野上(西島秀俊)は、祖父の古アパートの建つ土地を売却することで借金を返済しようとしているらしい。無気力で倦怠しきった加瀬亮たちのカップルのデート。西島秀俊と着物を着た竹花梓のパッとしない初お見合い。続いて、突然会社を辞める二人の男(西島秀俊と加瀬亮)の場面となり、どうやら加瀬亮は西島秀俊が会社を辞めることを知って、自分も発作的に辞めたらしいことがわかる。そして、西島秀俊が借金のために売り払おうとしている古ぼけたアパートに、加瀬亮と竹花梓が転がり込んでくる。

暇を持て余したような奇妙な三人の若者たちのボロいアパートでの暮らし。アパートには雨戸が閉まったままの開かずの部屋がある。このアパートの佇まいがなんだか面白い。まるでつげ義春の漫画に出てくる古アパートのようだ。アパートのオーナーで管理している女性に香川京子。アパートを売ろうとしない寡黙な老人に高橋昌也。香川京子がやっている小料理屋の常連客の畳屋に塩見三省。香川京子の存在が謎で後半明らかにされるのだけれど、劇的な展開はない。台風が開かずの部屋の謎を明らかにするだけだ。

無意味な3人のバトミントンがなんだかいい。台風はややありがちな展開だったけれど、目先の現実に振り回されている若い三人と、思いを深く心の奥底に閉じ込めている二人の年配者の対比が面白い。古いアパートそのものが主役のような物語。池田千尋という監督は初めて知ったけれど、今後どんな映画を撮るのかな。



製作年 2008年
製作国 日本
配給 トランスフォーマー、ユーロスペース
監督:池田千尋
脚本:大谷三知子
撮影:たむらまさき
音楽:長蔦寛幸
美術:三ツ松けいこ
キャスト:西島秀俊、加瀬亮、竹花梓、塩見三省、高橋昌也、香川京子

☆☆☆3
(ト)
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テーマ : TVで見た映画
ジャンル : 映画

tag : 人生 ☆☆☆3

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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

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