「野良猫ロック / 集団暴走 '71」藤田敏八

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野良猫ロックシリーズ最終作(第5弾)。1960年代後半から1970年にかけての当時の風俗が見られる懐かしい若者たちの風俗映画。フーテンと呼ばれる根無し草の若者たち。現代で言えばフリーターだが、いわばサイケで無軌道な若者たちが集い、自由気ままに青春を謳歌している。反社会的であり、反権力的でもある当時の空気が描かれる。新宿の廃バスをたまり場とし、フリーセックス、フリードラッグを売りとし、そのネタで週刊誌に売り込みつつ写真を撮らせ、金だけ巻き上げてしまう集団。そんな彼らの一人がちょっとした争いからナイフで人を殺してしまう。その男は田舎の権力者の金持ちのドラ息子であり、どうやらそのドラ息子を連れ戻す父親側の策略があったらしい。ドラ息子の名前が「リュウメイ」というのが笑える。「リュウメイ」とは当時、思想家・吉本隆明が「リュウメイ」と呼ばれていたのを思い出す。こういった仲間が金持ちの家出息子・娘たちという設定は結構多い。確か藤田敏八の『赤い鳥逃げた?』の桃井かおりもそうだった。

そして、この若者たちの集団がそのリュウメイの故郷の田舎に乗り込むのだ。リュウメイの罪を背負って留置され、脱獄までした恋人の梶芽衣子を追いかけて。それも、のどかに4人乗りぐらいの変わった自転車数台で旅をするところがなんとも自由気ままな感じがして可笑しい。

若き梶芽衣子が「さそりシリーズ」の迫力とはまた違い、初々しい。どてら姿の原田芳雄や藤竜也、若き日の常田富士男などがグループの中心メンバー。梶芽衣子の恋人で殺人を犯したドラ息子に地井武男。チョイ役で堺正章が歌を歌い、モップスも突然現れて演奏する。田舎の権力者たちと若者集団の対決の構図。改心させられたドラ息子・地井武男と監禁された梶芽衣子が物語の軸になっているが印象は弱い。ラストは西部劇のテーマパークのようなところで、ダイナマイトがどんどん爆発し、結構派手な抗争に展開。主要な人物は次々と果てていくのだが、人物描写はそれほどきめ細やかではなく、まるで盛り上がらない。ドラマとしてはとても物足りない。当時の風俗だけが感じられる程度のどうということはない映画だ。


野良猫ロック / 集団暴走 '71 (1971年1月)
監督:藤田敏八
製作:笹井英男、岩沢道夫、真下武雄
企画:佐々木志郎
脚本:永原秀一&浅井達也
撮影:萩原憲司
音楽:玉木宏樹
助監督:田中登
キャスト:梶芽衣子、藤竜也、原田芳雄、范文雀、司美智子、郷鍈治、地井武男、稲葉義男、小磯マリ、高野沙理、、久万里由香、青木伸子、夏夕介、常田富士男、前野霜一郎、安岡力也、戸浦六宏、鈴木利哉、藤木孝、堺正章、野村正樹、モップス 他

☆☆☆3
(ノ)
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テーマ : TVで見た映画
ジャンル : 映画

tag : 青春 ☆☆☆3

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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

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