「ニックス・ムービー/水上の稲妻」ヴィム・ヴェンダース、ニコラス・レイ

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ヴィム・ヴェンダースが敬愛する映画監督ニコラス・レイの家を訪ねるところから始まる。ベッドで寝ているレイ。『ハメット』の撮影準備中のヴェンダース。早朝やってきた彼もソファで仮眠をとる。朝、目覚まし時計の音で起きるレイ。挨拶を交わした二人は、映画について話し始める。カメラはレールの移動撮影で二人をとらえる。35ミリの美しい映像で撮られたこの場面はフィクションなのか?ノンフィクションなのか?レイが録音機に吹き込む場面はヴェンダースの指示であることがわかり、フィクションであることが知らされる。ざらついたビデオ映像が挿入され、部屋の中の照明やまわりのスタッフたちが映し出され、NGテイクも挿入される…。

この映画は、ノンフィクションとフィクションが入り混じった映画だ。ガンに侵された現実のニコラス・レイがそのまま映像で切り取られている。映画監督を演じようとするニコラス・レイ。しかし、病は彼を苦しめる。髪は抜け、咳き込み、病魔に起こされて緊急入院するレイ。

撮影することで、ニックの死期を早めているのではないか?映画を撮り続けることを躊躇し、自問するヴェンダース。カメラを向けること、撮ることの意味にこだわり続けたヴェンダースだからこその作品だ。彼が敬愛する映画監督ニコラス・レイの死を撮ること、その迷いと覚悟がこの映画にはある。映画としては、あまり完成されたものではない。どちらかというと、映画にしようとしてできなかった映画であり、ニコラス・レイという映画監督の死そのものが描かれている。カメラを向けることは、すべてを引き受けることでもある。それは死そのものを撮ることでもあるのだ。そんな残酷な死を映してしまうのが映画だと教えてくれる作品。ニコラス・レイが最後にかけた声、「カット!」がせつない。この映画の完成前に亡くなった。



ニックス・ムービー/水上の稲妻<未>(1980)
NICK'S MOVIE
LIGHTNING OVER WATER
上映時間 87分
製作国 西ドイツ
監督: ヴィム・ヴェンダース、ニコラス・レイ
撮影: トム・ファレル、エド・ラッハマン
音楽: ロニー・ブレイクリー
出演: ニコラス・レイ ヴィム・ヴェンダース、 ロニー・ブレイクリー、スーザン・レイ、ティモシー・レイ

☆☆☆☆4
(ニ)
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テーマ : TVで見た映画
ジャンル : 映画

tag : ドキュメンタリー ☆☆☆☆4

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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

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