「永遠の0」山崎貴

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この映画はヒットするだろうなぁ。試写会で一足早く観させてもらいました。来年の正月映画だそうです。原作も累計300万部も売れているし、泣けるし、キャスティングも素晴らしい。ゼロ戦の空中戦や航空母艦などの戦争シーンもVFXを駆使してうまく描いている。

原作を読んだ時の宮部久蔵のイメージはもう少し頑なな個性的な印象があって、岡田准一君は爽やか過ぎて、どうだろう?と思ったけれど、よくやっていると思う。舞踏家の田中泯が相変わらずの存在感で、迫力あるヤクザを演じている。三浦春馬は等身大の現代の青年役、井上真央は戦時中の妻役。そして、最近売出し中の染谷将太、個性派の濱田岳、今や日本映画界でクセのある役には欠かせない新井浩文。そして今年亡くなられた夏八木勲さん。夏八木さんの存在が、この映画をテーマ「死をつないでいくこと」と重なっていて、さらに映画に深みを与えている。そして老獪なる役者たち、橋爪功、山本學、平幹二朗などが脇を固める。

この映画がなぜ泣けるのか…。本を読んだときも涙が何度もこぼれてきた。もちろん泣ける映画(本)がいい映画というわけではない。お涙頂戴映画は、ときとして安易な病気や不幸を売り物にし、泣かせるために悲恋や不運を謳い上げる。もちろん、戦争(特攻隊)という過酷な運命が人生を変え、関係を引き裂くのだけれど、この物語が泣けるのはそんな運命の悲劇でも難病ものでもなく、「人は人のために生きること」をあらためて思い出させてくれるところだ。それは部下と上官という男と男の関係でもあるし、夫と妻や家族との関係でもある。人は人に魅力を感じ、自分の命に代えてもその人を支えたいと思うし、守りたいと思う。それぐらい人は人のために生きたいと思うものなのだ。そしてそれは、特攻隊で亡くなった宮部久蔵という人物の魅力に負うところが大きい。宮部久蔵という人物像が様々な人々の証言によって、複層的に膨らんでいく構成がうまいと思う。

原作でいちばん図式的でうまくいってなかったと思われる姉の婚約者の新聞記者の描写が、別の形で端的に描かれていて見事に物語に取り込まれている。ゼロ戦賛美でも特攻隊の悲劇の英雄青春物語でもなく、死を引き受け、繋いでいくこと、そして生きようとすること、そして人は人のために尽くしたいと思うこと。そんなことが感じられる映画です。

製作年 2013年
製作国 日本
配給 東宝
監督・監督・VFX:山崎貴
脚本:山崎貴、林 民夫
原作:百田尚樹
音楽:佐藤直紀
主題歌:サザンオールスターズ
キャスト:岡田准一、三浦春馬、井上真央、濱田岳、染谷将太、三浦貴大、上田竜也、新井浩文、夏八木勲、橋爪功、田中泯、山本學、平幹二朗、風吹ジュン、吹石一恵

☆☆☆☆4
(エ)
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tag : 戦争 ☆☆☆☆4

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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

Author:Yasuo K  ( ヒデヨシ)
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オヤジです。
映画にまつわる雑文です。
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