「ウォールフラワー」スティーブン・チョボウスキー

1999年にアメリカで出版され、「ライ麦畑でつかまえて」の再来とも言われたベストセラー青春小説を、原作者のスティーブン・チョボウスキーが自らのメガホンで映画化。

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原作者が自ら監督って、日本で言えば村上龍の「限りなく透明に近いブルー」とか、辻仁成の作品とか、古くは池田満寿夫の「エーゲ海に捧ぐ」なんてのもあったね。劇作家で映画監督は三谷幸喜がいますね。小説家(芸術家、劇作家)でもあり、映画監督も出来ちゃうという多才な人というわけだけど、たいてい映画の出来は良くなかったりする(すいません。偏見と独断です)。映画と小説は別ものであり、より客観化、相対化する作業が必要なんだろうね。原作者が脚本を書くというパターンは、わりと多くて最近では、吉田修一が「悪人」でやって成功しています。映画監督との共同作業で、映像にしやすい形での相対化が可能になるんだろうと思います。それで、この「ウォールフラワー」だけどとても素敵な映画で、原作者の自己中心的世界というところもなく、映画としてとてもチャーミングな作品になっています。口コミなどで人気を呼んでヒットにつながっているようですね。よくわかります。誰もがキュンとなる映画じゃないかな。

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まずはキャスティングが素晴らしいですね。「ハリーポッター」などで出ていたらしい(ちゃんと見ていないので記憶が曖昧)エマ・ワトソンは、最高にキュートだし(もっとも可愛く見える年齢かも)、陽気だけどナイーブなパトリック役のエズラ・ミラーもいいよね。そして音楽も効果的に使われているし、トンネルの疾走感がこの映画の浮遊感ともつながっていてとても映画的。過去の映像が随所にカットバックされるけど、そのさりげない感じも見やすい。ありがちな過去のトラウマを大げさに重く描いていないところがいいんだろうね。あくまでも現在の青春物語として、スクールカーストなんていう描写も入れながら、音楽テープ交換なんてのも懐かしいし、ダンスパーティーは青春映画の定番。それで「この瞬間こそ無限だ」と感じられる青春の輝かしく飛翔する瞬間を見事に捉えているよね。あぁ、こういう瞬間って、時代を問わず誰もが共感できる感覚なんだろうね。苦しくて重くて悩ましくても、その一瞬だけ風が吹くような、光がさすような、永遠を感じられるような感覚。ランボーの詩に魅せられたり、サリンジャーの小説に共感したり、時代の音楽に共感したり、ティーンエイジャーの愚かだけど輝かしき青春モノは永遠ですね。アメリカ映画って、年に1〜2本はこういうキュートな映画が作られるね。


原題 The Perks of Being a Wallflower
製作年 2012年
製作国 アメリカ
配給 ギャガ
上映時間 103分
監督:スティーブン・チョボウスキー
製作:リアンヌ・ハルフォン、ラッセル・スミス、ジョン・マルコビッチ
製作総指揮:ジェームズ・パワーズ、スティーブン・チョボウスキー
原作:スティーブン・チョボウスキー
脚本:スティーブン・チョボウスキー
撮影:アンドリュー・ダン
美術:インバル・ワインバーグ
音楽:マイケル・ブルック
音楽監修:アレクサンドラ・パットサバス
キャスト:ローガン・ラーマン(チャーリー)、エマ・ワトソン(サム)、エズラ・ミラー(パトリック)、メイ・ホイットマン、ジョニー・シモンズ、ポール・ラッド、ケイト・ウォルシュ、ディラン・マクダーモット、メラニー・リンスキー、ニーナ・ドブレフ、ジョーン・キューザック

☆☆☆☆4
(ウ)
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tag : 青春 ☆☆☆☆4

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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

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