「ぼくの伯父さんの休暇」ジャック・タチ

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ジャック・タチのキャラクターで『ぼくの伯父さん』がヒットして有名になったユロ氏が初めて登場した映画。ユロ氏のとぼけた味わいが存分に堪能できる白黒作品。奇妙なアート的な機械化された近未来邸宅が出てくるカラー作品『ぼくの伯父さん』(1958年)よりも前に作られたバカンスの海辺のリゾート地を舞台にコメディもの。デジタル修復版がリバイバル上映された。

小さなボロ車に乗ってユロ氏が海辺のリゾートにやってくる。汽車やバスなどの描写もあり、乗り物にジャック・タチが強い関心を寄せているのがわかる。自転車や船も含め、乗り物とはきわめて映画的な舞台なのだとあらためて思った。ユロ氏は、膝をあまり曲げずに前かがみの姿勢で奇妙に歩く。チロル帽にパイプがトレードマーク。ユロ氏の行くところ、いつもトラブルが起きるのだ。時々、そのトラブルからユロ氏が逃げ出したりするのも可笑しい。どこか憎めないとぼけたユロ氏の存在自体が楽しい。Mr.ビーンもこのユロ氏の流れをくむコメディアンだが、ユロ氏のほうが上品でスマートだ。

物語はとりたてて何も起きない。バカンスの平和な海辺だ。風や波や花火がイタズラしたり、馬や舟がトラブルを起こしたり、ちょっとテニスの動作が奇妙だったり、卓球やダンスなどユロ氏の何気ない<ズレ>が笑いを誘う。物語のためのコメディではなく、アクションそのものがコメディなのだ。台詞はほとんどなく、効果音と音楽だけ。バカンスのいつもの朝といつものランチ、そしていつもの騒がしい夜。それが淡々と過ぎていく平和な日々。人間って楽しいな…、バカンスっていいな…、と思わせてくれる幸福な映画だ。

原題 Les vacances de Monsieur Hulot
製作年 1953年
製作国 フランス
配給 日本コロムビア
日本初公開 1963年8月3日
上映時間 89分
監督:ジャック・タチ
製作:フレッド・オラン
脚本:ジャック・タチ、アンリ・マルケ
撮影:ジャック・メルカントン、ジャン・ムーセル
音楽:アラン・ロマン
キャスト:ジャック・タチ、ナタリー・パスコー、ルイ・ペロー、アンドレ・デュボワ、バランティーヌ・カマクス
☆☆☆☆☆5
(ホ)

『左側に気をつけろ』(1936)

農村で働く青年がボクシングの練習相手にさせられてのドタバタ騒動。自転車に乗った郵便配達夫、カメラを回す真似事で映画ゴッコをしている子供たちも登場。ゴダールがオマージュで『右側に気をつけろ』を撮った。

原題 Soigne ton gauche
製作年 1936年
製作国 フランス
配給 日本コロムビア
日本初公開 1989年11月3日
上映時間 14分
監督:ルネ・クレマン 脚本:ジャック・タチ 製作:フレッド・オラン 音楽:ジャン・イアトーブ
キャスト:ジャック・タチ

『ぼくの伯父さんに授業』(1967)

ジャック・タチ扮するユロ氏が黒いスーツ姿のビジネスマンたちを相手に、パントマイムの授業を開始。タバコの吸い方や馬の乗り方、階段でのつまづき方など、さまざまな芸を実演してみせる。ジャック・タチの超大作「プレイタイム」の撮影が資金切れによって中断した際、助監督のひとりであるニコラス・リボウスキーがメガホンを取り、同作のセットと俳優をそのまま使って撮りあげた短編コメディ

原題 Cours du soir
製作年 1967年
製作国 フランス
配給 日本コロムビア
日本初公開 1995年10月7日
上映時間 29分
監督:ニコラス・リボウスキー  撮影:ジャン・バダル 編集:ニコル・ゴーデュション 音楽:レオ・プチ
キャスト:ジャック・タチ 、マルク・モンジュー
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

tag : コメディ ☆☆☆☆☆5

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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

Author:Yasuo K  ( ヒデヨシ)
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    10、「別離」
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    3、「演劇1&2」
    4、「夢売るふたり」
    5、「アウトレイジビヨンド」
    番外 「ヒミズ」


2011年映画ベスト10
    3,「ブルーバレンタイン」
    4,「愛する人」
    5,「クリスマス・ストーリー」
    6,「トゥルー・グリット」
    7,「SOMEWHERE」
    8,「さすらいの女神(ディーバ)たち」
    9,「エリックを探して」
    10,「シリアスマン」
    次点,「エッセンシャル・キリング」

    3,「あぜ道のダンディ」
    4,「マイ・バック・ページ」
    5,「冷たい熱帯魚」

    2010年映画ベスト10
    3、フローズン・リバー
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    次点、闇の列車、光の旅

    3、川の底からこんにちは
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2009年映画ベスト10
    3、リミッツ・オブ・コントロール
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