「希望の国」園子温

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日本映画界のやんちゃな暴れん坊、園子温の原発災害直後のある町を舞台に理不尽な現実を淡々と描いた作品。2011年3月11日の震災が起きてわずか4ヶ月後の8月、園子温は原発問題を風化させていはいけないと被災者の聞き取り調査を始めたそうだ。『ヒミズ』でも東北の現実が映像に使われていたが、この映画でも被災地で廃墟となった風景がフィクションではあるが、映像として切り取られ、その映像とフィクションのギャップがなんともいえぬ気持ちになる。

物語としてはかなり極端な設定であり、それほど面白いものではない。突然立ち入り禁止とテープが庭先に貼られ、出入りを制限される理不尽さ。放射能汚染のため国に強制立ち退きを要求されるも、ここで死を迎えようとする酪農を営む老夫婦。夏八木勲の強固な意志と認知症の大谷直子の二人の存在感が映画として成立させている。避難する息子(村上淳)と両親との涙の別れや子供を妊娠し、放射能パニックになる息子の嫁・神楽坂恵の図式性など、脚本はあまり良くない。それでも震災直後にこの被災地で抑制のきいた演出で真っ先に原発汚染の恐怖と不条理の問題をフィクションで作り上げる社会感覚、行動力には拍手を送りたい。映画としては面白みに欠けるが、表現者として現実と関わろうとしたその姿勢、作ったことに価値がある映画だ。

夏八木勲さんの渾身の演技に追悼の意を表したい。

製作年:2012年
製作国:日本・イギリス・台湾合作
配給:ビターズ・エンド
上映時間:133分
監督:園子温
プロデューサー:定井勇二、國實瑞恵、汐巻裕子
原作・脚本:園子温
撮影:御木茂則
キャスト:夏八木勲、大谷直子、村上淳、神楽坂恵、 清水優、梶原ひかり、筒井真理子、でんでん、菅原大吉、山中崇

☆☆☆3
(キ)
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テーマ : TVで見た映画
ジャンル : 映画

tag : 社会派 ☆☆☆3

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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

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