「悪童日記」ヤーノシュ・サース

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双子の男の子の目がいい。目に力があっていいのだ。

第2次世界大戦下、小さな村に疎開した双子の兄弟。時には残酷なまでの悪童ぶりを発揮しながらも強く生きようとする姿を淡々と描いている。世界に衝撃を与えたアゴタ・クリストフの同名ベストセラーを、クリストフの母国ハンガリーで映画化された・・・。私は原作は未読です。

撮影は「白いリボン」のクリスティアン・ベルガーだそうで、いつも双子の二人を一つの画面に収めている。カメラはじっくりとロングショットで二人を捉えている。魔女のような祖母がまたすごい存在感だ。
ワンフレームで捉えられる二人が一人ずつ別々にカメラに収まるのは、死んだ兵士のモノだった爆弾をある女性を懲らしめるために使ったことを警察で拷問される場面だ。二人は「一人ずつにされるのが一番ツライ」とつぶやく。

そして二人が一人ずつ描かれるのは、国境を挟んでのラストだ。お互いに日記はもういらないと押し付け合う。そして一人は死んだ父親を踏み台にして国境を越えて旅立っていき、もう一人は同じ場所に残る。その二人の姿の切り返し。つまりこの映画は、双子の男の子が寄り添いながら過酷な現実を前に強く生きていく姿と、一人一人が個々に自立するまでの映画なのだ。そこで描かれるのは、善悪を超えた生きるための強い意志だ。ハンガリーがナチスにもその後にやってきたロシアにも蹂躙され、何が善悪なのか何もわからなくなる時代。双子にとっては、父親も母親も無条件に信頼し愛すべき存在ですらなくなっている。そんな過酷な現実を前に、たじろがずに生き抜く力が映画から伝わってくる。

原題:A nagy fuzet
製作年:2013年
製作国:ドイツ・ハンガリー合作
配給:アルバトロス・フィルム
上映時間:111分
監督:ヤーノシュ・サース
製作:サンドル・ソスパル・サンドール
原作:アゴタ・クリストフ
脚本:アンドラーシュ・セーケル、ヤーノシュ・サース
撮影:クリスティアン・ベルガー
美術:イシュトバン・ガランボス
音楽:ヨハン・ヨハンソン
キャスト:アンドラーシュ・ジェーマント、ラースロー・ジェーマント、ピロシュカ・モルナール(祖母)、ウルリッヒ・トムセン、ウルリッヒ・マテス、ギョングベール・ボグナル、オルソルヤ・トス、ザビン・タンブレア、ペーター・アンドライ

☆☆☆☆4
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Yasuo  K   ( ヒデヨシ)

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